ハイエースは40万km以上走ってもエンジン・ミッションが故障しない
日本全国の下取り・買取車両(廃車車両)が集まるの主要な業者オークションのデータから、4237台分のハイエースバンのオークション結果データを調べた結果、現在のハイエースは40万km以上走行しても、エンジン・トランスミッションの故障率が10%以下でした。
50万km以上のハイエースが業者オークションに出品されていない事は、日本国内でそれ以上の距離を走行するハイエースがほとんどない事を意味しています。
この結果より、ハイエースは使用用途が終わるまで、延々と乗り続けても、車の寿命といえるエンジンやトランスミッションなどの主要機関が壊れる事が無いという事を意味しています。 以下は調査方法と、調査結果の詳細になります。
調査内容
調査日:2021年7月13日 調査期間:2021年4月~7月中旬までの全国の110か所の業者オークション 調査ツール:アイオーク相場検索 調査対象:成約済みのハイエースバン全4273台の出品表
調査結果
ハイエースバン・200系ディーゼルの場合・・・1KDエンジン(KDH201V・KDH206V(2365台))
走行距離 | 不良台数 | 調査台数 | 不良割合 |
10万km台 | 2台 | 1029台 | 0.2% |
20万km台 | 9台 | 599台 | 1.5% |
30万km台 | 4台 | 172台 | 2.3% |
40万km以上 | 6台 | 63台 | 9.5% |
1KDエンジン搭載車についての調査結果
この調査結果を持って、ハイエースの走行距離に関する寿命の判断は人により分かれる事になると思います。
本サイトとしての分析は、 40万km以上で、急激に不良車両のパーセンテージが上がっている事から、メンテナンスをある程度しっかりやれば、30万km台ぐらいまでは、寿命が延びるのではないか?と判断しました。
40万km以上になると、ある程度メンテンナスをやっていても、エンジンやミッションの不具合が発生する可能性が高いです。 逆に、メンテンナンス状態が悪いハイエースの場合、10万km台~20万km台でもエンジンやミッションの故障が発生し、寿命を迎える車も少なくないという事も見て取れます。
ハイエースバン・200系ディーゼルの場合・・・2KDエンジン(KDH201V・KDH206V(657台))
走行距離 | 不良台数 | 調査台数 | 不良割合 |
10万km台 | 8台 | 151台 | 5.2% |
20万km台 | 12台 | 265台 | 4.5% |
30万km台 | 12台 | 155台 | 7.7% |
40万km以上 | 7台 | 86台 | 8.1% |
2KDエンジン搭載車についての調査結果
こちらの型式のハイエースについては、走行距離にあまり関係なく、一定の割合でエンジンに不具合が発生することが結果から見て取れます。
歴代のハイエースのディーゼルは、この2KDエンジン以外は全て3000㏄のエンジンを搭載していましたが、このエンジンのみが2500㏄のターボエンジンとなっています。 500㏄分容量を減らした分、各シリンダーに対する負担が増している可能性があり、仮に走行距離が短くても、不具合が発生する割合が高いと考えられます。
また、距離が伸びてもそれほど不良エンジンの割合が変わらない事から、エンジンの不具合発生の大きな原因は、個人的にはドライバーの乗り方によるものが大きいと分析しています。
例えば、エンジンの負担が大きい乗り方、急発進や急加速などが多く、オイル交換の頻度が少ないなど、そういった乗り方の場合は、早々にエンジンがダメになり、 逆の場合は、どれだけ走行距離を伸ばしても不具合が発生しないといった状況では無いか?と推測されます。
ハイエースバン200系・ガソリンの場合・・・1TRエンジン(TRH200V(1251台))
走行距離 | 不良台数 | 調査台数 | 不良割合 |
10万km台 | 4台 | 857台 | 0.2% |
20万km台 | 6台 | 309台 | 1.9% |
30万km台 | 2台 | 75台 | 2.7% |
40万km以上 | 1台 | 10台 | 10% |
1TRエンジン搭載車についての調査結果
ガソリンの1TRエンジンについては、そもそも燃費がディーゼルに対して悪い事もあり、それほど距離を乗らないユーザーが多いという事がまず言えます。(長距離を走る事を前提とするユーザーは燃料コストを意識して、ディーゼルを選ぶ傾向が強いため)
そのため、調査台数を見てもらえば分かる様に、10万km台の台数が圧倒的に多く、30万km以上の台数はかなり少なくなります。
40万km以上は10台しかないため、サンプル数が少なくあまり参考にならない結果となりました。 10万km台から30万km台で比較すると、距離が延びる事によって、エンジンの不具合が出る確率は低く、2500㏄のディーゼル(2KDエンジン)よりもエンジンの不具合発生率はかなり低い事がわかりました。
ハイエースの寿命調査方法
調査サイト・・・アイオークの全国の業者間オークション相場検索(業者のみの会員制の有料サイト)の200系ハイエースバンの出品表(全4273台分)を1件ずつ調査
カウントする車・・・事故現状以外の原因による不動車・エンジンチェックランプ点灯車、「エンジン異音大」記載車、「エンジン不調」記載車・「ミッション不良」記載車を該当車両としてカウントする(同一車に複数記載されていても1台としてカウントする) ※今回調査したハイエースの中で、ミッション不良は1台も無かったため、基本的にハイエースの寿命≒エンジンの寿命とかんがえていただければいいかと思います。
結論として、ハイエースバンの寿命は何万km?
200系のハイエースのエンジンを徹底的に調べてみました。 結論としては、一体ハイエースの寿命は何万kmでしょうか? いずれのエンジンも、40万km以上でも、10パーセントを越える事はありませんでした。 そのため、40万kmが寿命とは言いにくい結果ですね。
さらに、40万km以上のハイエースはサンプル数が極端に減ります。つまり、例え不具合が無くても日本国内で40万km以上ハイエースを使用するユーザーはほとんどいなくなるという事になります。
また、いずれのエンジンも、エンジンがダメになる理由は、ほとんどが使用状況次第という事になり、裏を返すと、メンテナンスをきちんと行っていれば、エンジンがダメになる可能性は低いという事になります。
つまり、国内でハイエースを使用する限り、ハイエースに寿命は存在しないという事が言えるのではないでしょうか?
実際に海外では?
実は、ハイエースバンは、海外、主に発展途上国においては、とてつもない人気を誇る車です。 その人気は、間違いなく、全世界の全車種の圧倒的なNo1と断言できる車なのです。
その人気の理由は、何と言っても、100系ハイエースバンから積み上げてきた、その耐久性に対する信頼です。
メンテナンスさえきちんとやっていれば、エンジンが半永久的にダメにならない車。それがハイエースバンなのです。
今回の調査でも沢山出てきた、20万km以上のハイエースは、実際に国内で中古車として再販される事はあまりありません。
そのほとんどが、海外へ輸出されています。途上国では、日本のように20万kmや30万kmで車を廃車するような事はありません。
特に丁寧に乗れば寿命のないハイエースバンは、メーターが一周する(100万km以上走行する)何てことは朝飯前です。
そのため、国内で「値段が付きません」などと言われた下取りや廃車された20万km以上走行したハイエースバンは 実際には買取・下取り業者や、廃車業者を通じて国内の業者オークションで、輸出業者が20万・30万円で転売されているというのが実態なのです。
ハイエースを売却する時は注意が必要ですね。このあたりの事情に興味がある場合は、 「ハイエースの買取ならボロボロエースカウカウ」を是非ご一読下さいね。 以上で、ハイエースの寿命に関する記事は終わりです。