ハイエースが欲しい。100系から200系のハイエースに乗り換えたい!
しかし、いざハイエースを購入しようとおもったら、ガソリン車やら・ディーゼル車やら。バンやらワゴンやらコミューターやら、ワイドやらハイルーフやら・・・・種類多すぎて、どれを選んでいいやら・・・わかりまへ~ん!!
なにより、種類が変わると維持費が大幅に変わるんです。これを無視して適当には選べません。
※本記事は200系ハイエースバンの最新モデル(新車)を想定して、比較をしていますが、中古で購入される場合も参考になる記事だと思います。
1.ガソリンとディーゼルの比較。間違えたら84万円も損するなんて・・・
1.燃費について
ガソリン車
種別・グレード | 駆動方式 | AT/MT | JC08モード燃費 km/L | 実燃費予想Km/L |
---|---|---|---|---|
バン | ||||
スーパーGL 標準 | 2WD | AT | 10.2 | 8.6 |
スーパーGL ワイド | 2WD | AT | 9.7 | 8.2 |
スーパーGL ワイド | 4WD | AT | 9.1 | 7.6 |
DX/DX・GL-p 標準 | 2WD | AT | 10.4 | 8.7 |
DX/DX・GL-p 標準 | 2WD | MT | 11 | 9.2 |
DX/DX・GL-p ワイド | 2WD | AT | 9.9 | 8.3 |
DX/DX・GL-p ワイド | 4WD | AT | 9.3 | 7.8 |
ワゴン | ||||
グランドキャビン | 2WD | AT | 9.5 | 8.0 |
グランドキャビン | 4WD | AT | 8.9 | 7.5 |
DX/GL | 2WD | AT | 9.7 | 8.2 |
DX/GL | 4WD | AT | 9.1 | 7.6 |
コミューター | ||||
DX/GL | 2WD | AT | 9.5 | 8.0 |
DX/GL | 4WD | AT | 8.9 | 7.5 |
ディーゼル車
種別・グレード | 駆動方式 | AT/MT | JC08モード燃費 km/L | 実燃費予想Km/L |
---|---|---|---|---|
バン | ||||
スーパーGL 標準 | 2WD | AT | 12.4 | 10.4 |
スーパーGL 標準 | 4WD | AT | 12.0 | 10.1 |
スーパーGL ワイド | 2WD | AT | 12.2 | 10.3 |
DX/DX・GL-p 標準 | 2WD | AT | 13.0 | 10.9 |
DX/DX・GL-p 標準 | 4WD | AT | 12.2 | 10.3 |
DX/DX・GL-p ワイド | 2WD | AT | 12.2 | 10.3 |
DX/DX・GL-p ワイド | 4WD | AT | 11.4 | 9.58 |
コミューター | ||||
DX/GL | 2WD | AT | 11.8 | 9.9 |
<比較結果>
2017年のモデルチェンジによりディーゼル(2800cc)のエンジンが変わりました。
特に燃費が大幅に向上しており、
燃費で見ると、噂どおりディーゼルがかなりいいようです。
例えば、スーパーGLの標準ボディ2WDだと・・・
上の表で実燃費を比較するとこうなります。
ガソリン・・・8.6km/L
ディーゼル・・・10.4km/L
ひと月あたりの燃料代を比較
では一月あたりの燃料代で比較しましょう。
<仮想条件>
- 燃料レート ガソリン141.6円:軽油121.6円で計算(2019年12月12日現在のレート 参照元:https://e-nenpi.com/gs/prefavg)
- 月平均2000km走行した場合で計算してみました。(仕事で毎日乗る人を想定)
<ガソリンの場合>
2000km ÷ 8.6km/L × 141.6円/L = 32,930円 ガソリン車一カ月の燃料費 = 33000円
<ディーゼルの場合>
2000km ÷ 10.4km/L × 121.6円/L = 23,385円 ディーゼル車一カ月の燃料費 = 23400円
いまいちピンと来ないので、最終的に廃車するまでにトータルでかかる燃料費を計算してみます。
新車から廃車まで乗り続けた場合の燃料代
<仮想条件>
- 走行距離20万kmで廃車することを想定
- 燃料レート ガソリン141.6円:軽油121.6円で計算
<ガソリンの場合>
200,000km ÷ 8.6km/L × 141.6 = 3,293,023円 ガソリン車で廃車まで乗り続けた場合:約329万円
ちなみにスーパーGLガソリン2WDの新車のメーカー希望小売価格は約303万円(税込み)
燃料費と新車の車両代金を合わせると631万円
<ディーゼルの場合>
200,000km ÷ 10.4km/L × 121.6円/L = 2,338,461円 ディーゼル車で廃車まで乗り続けた場合 = 約239万円
ちなみにスーパーGLのガソリンの新車のメーカー希望小売価格は約363万円(税込み)
燃料費と新車の車両代金を合わせると602万円
比較した結果
売却するまでの走行距離と\ 生涯燃料費と新車価格の合計 |
ガソリン車 | ディーゼル車 | 価格差 |
---|---|---|---|
10万km走行 | 約468万円 | 約480万円 | 約12万円 |
20万km走行 | 約631万円 | 約602万円 | 約29万円 |
30万km走行 | 約797万円 | 約713万円 | 約84万円 |
約12万8千km走行 | 約512万円 | 約512万円 | 0万円 |
- 仮に30万km、走行したとすると・・・ガソリン車の方が約84万円も損する計算になるのです!!
- この条件で計算した場合燃料費と新車価格の合計はトータルで約128,000km以上走行する場合、ディーゼルの方が安くなる事がわかりました。
同グレードのガソリン車とディーゼル車を比較した場合、どのグレードでも似たり寄ったりの結果になると思います。
2.バンとワゴンまたは、ボディーサイズ(標準、ワイド、ハイルーフ等)で維持費がどう違う?
バンとワゴン、ボディーサイズにより燃費も変わります。燃費については、1に戻って確認してみましょう。
ここでは、バンとワゴンまたはボディーサイズで異なってくる1ナンバー・3ナンバー・4ナンバー・5ナンバーの違いについて説明します。
それぞれ、登録できるナンバーが異なるので、下記で確認しましょう。
登録できるナンバー一覧
種別 | ボディーサイズor乗車人数 | 登録可能ナンバー |
---|---|---|
バン | 標準 | 4 |
ワイドまたはハイルーフ | 1 | |
ワゴン | 全て | 3 |
コミューター | 14人乗り | 2 |
ボディーサイズがかわると何が変わる?
ハイエースバンの場合、ボディサイズがワイドまたはハイルーフになると、4ナンバーの登録ができません。(4ナンバーは、全長470cm 以下、全幅170cm以下、全高200cm以下のすべてを満たさないといけません。)
登録ナンバーによる維持費(税金+自賠責+検査印紙代)比較
上記のように、ワゴンは乗用車登録(3ナンバー)登録しかできません。バンは乗用車登録(3ナンバー)と貨物車登録(1ナンバーまたは4ナンバー)登録が選べます。
費用項目(2年間分) |
ワゴン 3ナンバー |
バン(標準) 4ナンバー |
バン(ワイドまたはハイルーフ) 1ナンバー |
---|---|---|---|
自賠責保険 | ¥27,840 | ¥35,540 | ¥48,080 |
重量税 | ¥32,800 | ¥32,800 | ¥32,800 |
自動車税 | ¥102,000 | ¥32000※ | ¥32000※ |
検査印紙代 | ¥1,800 | ¥3,600 | ¥3,600 |
合計 | ¥164,440 | ¥103,940 | ¥116,480 |
※乗車定員、最大積載量、排気量等により異なります。表示金額はスーパーGL(乗車定員2/5名乗り)の場合
維持費の比較結果より
やはり4ナンバー、1ナンバーの貨物車登録により、2年間のトータルで見ても維持費が安くなる事がわかります。
貨物車登録のデメリット
1ナンバー、4ナンバーのデメリットは、車検が1年ごと(新車登録時は2年)になる事です。毎年車検のため、車検の手数料が2回かかる事になります。通常車検手数料は2万~3万程度ですので、やはり貨物車登録の方が安いですが、毎年うけなければいけないというめんどくささがあるわけです。
バンかワゴンのどちらにしようか迷っている人は??
- 維持費で選ぶなら、バン
- 車検費用のめんどくささや、乗車人数重視の人はワゴン
という選択基準になりそうですね。
3.みんな無視しがち!売るときの値段について!
新車や中古車を買う場合、どうしても購入費用や維持費にばかり目がいってしまいます。でも、同じハイエースでも、売る段階になると、ほとんど値段が付かないものと、バカみたいな高値で売れるものがあります。
新車で買って、5年以内とか、走行距離10万キロ以内のレベルであれば、新車当時の値段をそのまま引き継がれます。グレードが高かったものは、売るときも高く、グレードが安いものは、安くなります。
なぜなら、これぐらいの程度の良いハイエースは、国内で中古車として再販される可能性が高いからです。
しかし、多くのユーザーは、ハイエースを本人が「もう十分乗りつぶした。廃車しよう」と思うまで乗ります。本人が乗りつぶしたと思っていると、売却の際は、ディーラーの下取りなど、売り方がどうしても雑になりますよね??
これ、大変危険な行動なんですよ。
乗りつぶしたハイエースこそ、売却は慎重に!!
多くの人が乗りつぶしたと思っている10年以上とか、走行距離20万キロ以上になったハイエースは、業者に引き取られた後、ほぼ100%海外に輸出されることになります。
走行50万キロ~100万キロまで平気で走る海外の人にとって、日本で廃車扱いされる走行20kmのハイエースなどはまだまだよちよち歩きのひよっこです。ちょうど、人間の人生の20歳前後の新卒の若者レベルですね。
”これからバリバリ働いてもらうよ~”っていう状態なわけです。
だから、多くの人が、タダ同然で下取りや買取業者に譲ったハイエースも、輸出業者の手にわたる段階では、何十万円にも価値が跳ね上がります。
引き取り業者から輸出業者にわたる時点で、その車自体は日本にまだあっても、その価値はすでに”海外の価値観”へと変化しているからなんです。
「そんなバカな!!?」と思った人は、古いハイエースの買取専門店ボロボロエースカウカウを見てください。輸出業者である、弊社がこんな値段で買うってことは、海外の人達が、20万キロ、30万キロのハイエースをそれだけ、必要としてることの証明ですよね??
海外の人が絶賛する世界でNo.1の人気を誇るハイエース。その価値観の違いとは??
あなたがハイエースを選んだ理由はなんでしょうか?かっこいいとか、カスタムできるとか・・・etc。いろいろあると思います。
海外の人にとってハイエースは「世界で最も耐久性に優れた丈夫な車」という評価なのです。特に、エンジンやトランスミッションといった、車の中枢機関の丈夫さが極めて高い評価をされているのです。
選ばれている理由が根本から違うんですね。
ハイエースと言っても、海外の人から人気があるのは、ハイエースバンです。ワゴンはほとんど認知されていません。
また、同じバンでも日本人にとってはスーパーGLは最上位グレードですが、海外の人にとっては、スーパーGLもDXも違いはありません。
むしろ、日本で人気のあるスーパーGLは値段も高いため、海外ではあまり見かけません。ほとんどは下位グレードのDXです。
また、トランスミッションも、ATとMTでは、圧倒的にMTの人気が高いです。型式にもよりますが、ガソリン・ディーゼル問わず、MTの場合、どんなに古く、過走行でもウソみたいな値段が付くことがあります。(ただし、残念な事に2017年のディーゼルのモデル変更により、ディーゼルのMT車が無くなってしまいました。)
今は、まだまだ、海外では100系ハイエースが主流ですが、200系の需要もどんどん高まってきています。あなたが、ハイエースを売る頃には、海外では200系が主流になっているでしょう。
あくまで、現在の話しですが、海外で人気のあるハイエースの種類については「ハイエースの海外輸出相場|どの国に幾らで輸出されるのか」が参考になりますので、ご一読ください。
4.まとめ「ハイエースなら何でもいい」という人にお勧めの最強ハイエースレシピ
1から3までを大まかにまとめます。
- 燃料費と新車価格のトータルを考えると、12.8万キロ以上走行すれば、ガソリンよりディーゼルの方が安くなる。
- ハイエースワゴンは、3ナンバー登録しかできず、維持費が高くなる。バンの場合、ボディーサイズがワイドまたはハイルーフになると1ナンバー登録になり、4ナンバーより若干高くなる。
- 乗りつぶしたハイエースでも高く売れる。売るときの値段はDXもスーパーGLも値段が変わらない。ATよりもMTの値段が高くなる。
そこで、私が考えた、最もお得なハイエースのレシピがこれです↓。
☆最強レシピ1 走行が12万8千km以上になる場合:ハイエースバン DX ディーゼル AT 標準(標準ボディー、標準ルーフ、標準フロア)
ハイエースであれば、走行距離が10万kmを超える事などは当たり前です。ですので、多くの人はこれが最強のレシピになるのではないでしょうか?
ハイエースの場合、20万km以上走ると、それ以降距離が30万km、40万kmと増えたとしても、故障等が無ければ、売却の値段はほとんど変わらなくなります。しかし、そうなると燃費が各段にいいディーゼルに軍配があがります。
乗りつぶすつもりで買うならディーゼルが断然おすすめですね。
☆最強レシピ2 走行が12万8千km以下になる場合:ハイエースバン DX ガソリン MT 標準(標準ボディー、標準ルーフ、標準フロア)
なんらかの事情があって、12万8千kmも走らずに、売却する予定がある人にとっては、このレシピが最強となります。
この買い方が、「買うときは安く」「売るときは高い」もっとも賢い買い方になりますね。
また、近年海外でもガソリンのハイエースの需要が高まっており、古いハイエースに関しては、ディーゼルもガソリンもそれほど値段の差はなくなってきています。またディーゼルのMTが無くなったことにより、唯一残ったガソリンのMT車は希少性があがりますので、今後特に注目ですね。
なんにも考えずに買ったり売ったりした場合、その差はなんと100万円!?
本記事のタイトルに「100万円安くなる」と書いておりますが、決して大げさな数字ではありません。
例えば、あなたが、何も考えずに、ガソリンが安いからガソリン車を選び、30万キロ走って、廃車にしてもらうために、ディーラーに下取りで売ったとしましょう。
- まず、1の計算方法では、燃料費だけでも、約84万円ガソリンが高くなります。
- 輸出業者に売れば、最低でも20万円程度で売れるのに、新車ディーラーだと、「使い物にならない」と言われ査定値段はほとんどつきません。場合によっては、処分料を請求される可能性もあります。
この二つを間違えただけでも、その差額は104万円。
この約100万円の分かれ道、それは、「知っているか知らないか」ただそれだけです・・