4ナンバーの4個のメリットと2個のデメリットについて

4ナンバー

4ナンバーの4つのメリットと2つのデメリットとは?

メリット

  • 2年間で計算すると維持費が3万~6万円程安くなる
  • 元々4ナンバー用の商用車は足回りが頑丈で長持ちする
  • そのため、海外での人気が高い車が多く、再販価値が高い(輸出業者に売った場合)
  • 車検の回数が多いため、コンディションが悪くなりにくい

デメリット

  • 毎年の車検が面倒になる。
  • 元々4ナンバーの商用車は、登録条件に合わせるため、乗り心地は良くない

 

以下、それぞれのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

4ナンバーの車の最大のメリット=「維持費が安くなる」 について

冒頭に「4ナンバー車は維持費が安くなる」と書きましたが、

具体的に言えば、自動車税重量税が安くなります。

その1 4ナンバーの自動車税はどれぐらい安いのか?

車の維持費の中でも、かなりの割合を占めているのが自動車税です。

 4ナンバー登録のメリットで、いの一番に言われている事がこの自動車税の安さです。

4ナンバーの車が、同条件の5ナンバーの普通乗用車と自動車税で、どれくらい安くなるか検証してみます。

(例1)プロボックスの条件を想定

  • 排気量 1500cc
  • 乗車定員 5名
  • 最大積載量 400kg以下 の場合
  • 初年度登録から13年未満

(例2)ハイエースバン(スーパーGL、ディーゼル)の条件を想定

  • 排気量 3000cc
  • 乗車定員 5名
  • 最大積載量 850kg以下
  • 初年度登録から13年未満

5ナンバーと4ナンバーの自動車税の差額

1年分自動車税額表  5ナンバー 4ナンバー 差額
(例1)の条件 34500円 14300円 20200円
(例2)の条件 51000円 16000円 35000円

排気量や積載量によってことなりますが、

 毎年2万円~3万5千円程度の違いが出る事がわかります。

参考までに、

乗用車と貨客兼用者(バン等)・トラックの自動車税の表を掲載載せておきます。

乗用車、貨客兼用者、トラックの自動車税の税額表

車種  自家用   営業用 
乗用車
(総排気量)
1リットル以下 29,500 7,500
1リットル超~1.5リットル以下 34,500 8,500
1.5リットル超~2リットル以下 39,500 9,500
2リットル超~2.5リットル以下 45,000 13,800
2.5リットル超~3リットル以下 51,000 15,700
3リットル超~3.5リットル以下 58,000 17,900
3.5リットル超~4リットル以下 66,500 20,500
4リットル超~4.5リットル以下 76,500 23,600
4.5リットル超~6リットル以下 88,000 27,200
6リットル超 111,000 40,700
貨客兼用車
(最大積載量及び総排気量)
(最大乗車定員4人以上)
1t以下 1リットル以下 13,200 10,200
1リットル超~1.5リットル以下 14,300 11,200
1.5リットル超 16,000 12,800
1t超

2t以下
1リットル以下 16,700 12,700
1リットル超 ~ 1.5リットル以下 17,800 13,700
1.5リットル超 19,500 15,300
2t超

3t以下
1リットル以下 21,200 15,700
1リットル超~1.5リットル以下 22,300 16,700
1.5リットル超 24,000 18,300
トラック
(最大積載量)
(最大乗車定員3人以下)
1t以下 8,000 6,500
1t超~2t以下 11,500 9,000
2t超~3t以下 16,000 12,000
3t超~4t以下 20,500 15,000
4t超~5t以下 25,500 18,500
けん引車 小  型 10,200 7,500
普  通 20,600 15,100




小  型 5,300 3,900
8t以下 10,200 7,500
8t超~9t以下 15,300 11,300
9t超~10t以下 20,400 15,100
10t超~11t以下 25,500 18,900

参照元:http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/car.html#j_8

4ナンバーの重量税はどれぐらい安いのか?

例えば、自家用の5ナンバーの車と4ナンバーの車の、1年分の重量税を比較してみます。(※エコカ―減免適用なし、登録13年未満の車両とします。)

5ナンバー車は、車両重量で、4ナンバ―車は車両総重量で重量税が決まります。

車両重量 3.5ナンバー車
0.5t以下 4,100円
0.5t~1t以下 8,200円
1t~1.5t以下 12,300円
1.5t~2t以下 16,400円
2t~2.5t以下 20,500円
2.5t~3t以下 24,600円
車両総重量 4ナンバー車
1t以下 3,300円
1t~2t以下 6,600円
2t~2.5t以下 9,900円
2.5t~3t以下 12,300円 
3t~4t以下 16,400円 

自動車税の時と同様に、下記(例1)と(例2)の条件で、重量税を比較してみます。

(例1)プロボックス(2WD)の条件を想定

  • 車両重量 1090kg
  • 車両総重量 1615kg
  • 初年度登録から13年未満

(例2)ハイエースバン(スーパーGL、ガソリン)の条件を想定

  • 車両重量 1770kg
  • 車両総重量 2895kg
  • 初年度登録から13年未満

 

1年分重量税額表  3.5ナンバー 4ナンバー 差額
(例1)の条件 12300円 6600円 5700円
(例2)の条件 16400円 12300円 4100円

車によっては全く差が出ないケースもありますが、 

 平均的に年間5000円程度、4ナンバー車の重量税が安くなるようです。

4ナンバー車で2年間あたりの安くなる税金のトータル

 5ナンバーであれば、2年に一回車検がきます。もし、4ナンバー車に変えた場合、2年間で維持費がどれほど安くなるか、上記の結果を元にまとめると・・・

  • 2年間で、自動車税が4万円~7万円程安くなる
  • 2年間で、重量税が1万円程度安くなる

つまり

 2年間で税金がトータルで5万円~8万円程安くなる

という結論になりますね。

以外と知られていないもうひとつのメリット

 そもそも、構造変更しないでも、4ナンバー登録できる車は、製造段階から、重い荷物を輸送したりするために、足回りが頑丈に作られている事がほとんどです。

 例えば、100系のハイエースでは、4ナンバー(1ナンバー)のバンは、3ナンバーのワゴンと違い、足回りに、コイルスプリングではなく、板バネを使用しています。

 乗用車の寿命は10万kmとか15万kmと言われていますが、

4ナンバー車のバンの場合、20万km~30万km程度であれば、足回りにガタがくることがなく、

 全体として、車の寿命が非常に長くなる事が特徴です。

 

そのため、少しでも古かったり、過走行になったハイエースのバンなどは、海外でも異常なまでの人気を誇っています。

 つまり、乗用車と比較すると、意外にも4ナンバーの商用車の方がリセールバリュー(再販価値)が高くなる事があります。

 そのため、低年式・過走行になった商用バンは、輸出業者に直接売れば思いもよらない金額で売れる事もあります。(※ディーラーの下取りや、普通の車屋さんに売った場合、乗用車と同様またはそれ以下の金額になる事はあります)

 輸出で人気のある車と、買取をしている輸出業者の情報はこちらで確認してください。

4ナンバー車のデメリット

 メリットだけであれば、世の中の4ナンバー車の割合いはもっともっと増えているでしょう。

しかしながら、4ナンバー車にも、デメリットはあります。それは・・・

4ナンバー最大のデメリット=毎年車検について

 5ナンバー(乗用車)であれば、車検は2年に一回ですね(初回のみ3年)。

しかし、4ナンバー(貨物車)は、毎年車検になります。

 

 そのため、4ナンバーの車の場合、車検手数料が一回分余計にかかる事になります。

 

ユーザー車検等、自分で車検を通す場合は、数千円の負担ですが、業者にお願いする場合は、車検手数料で一回あたり、おおよそ25000円前後の手数料がかかってしまいます。

 また、自賠責保険も、12カ月の短期契約となるため、若干割高になります。

 では、2年間でかかる、印紙代等も含めた車検に係る手数料等を比較してみます。

  自賠責保険料 印紙代 車検業者手数料※ 合計
4ナンバー(2年分)

17,270×2

=34,540円

1,700円×2

=3,400円

25,000円×2

=50,000円

87,940円

5ナンバー(2年分) 27,840円 1,700円 25,000円 69,840円

 (※業者の車検手数料を25,000円と仮定しています。)

つまり、2年間の合計で、87,940-69,840=18,100円ほど4ナンバー車が高くなる事になります。

 それでも、費用面だけを見れば、メリットで書いたように、税金が安くなる分を差し引きすると、

2年間で、4ナンバー車の維持費は、3万~6万円程安くなる事がわかります。

 

 また、毎年車検で業者に整備を依頼しているので、その分4ナンバーの車の方がメンテナンスがしっかりできて、長持ちしやすいというメリットがあります。

さあ4ナンバー登録しよう!でもちょっと待って!条件が9つあります。

  1. 荷物を載せる部分の床の面積が1m2以上(軽自動車は0.6m2以上)ないといけない。
  2. (運転席よりも後ろの)座席部分の面積が荷物を載せる部分の面積がよりも小さくないといけない
  3. 定員ぎりぎりまで人が乗った場合に、その時の人の重さ(1人あたり55kgで計算)よりも、荷物を載せられる重量が重くないといけない
  4. 後ろのドアを開けたときの入り口が縦80cm以上かつ横80cm以上ないといけない(軽の場合は、縦60cmかつ横80cm以上)。ただし、トラック(幌付きも含む)は除く
  5. ⑤荷物を載せる部分と、人が乗る席の間に壁か保護仕切りがないといけない。(最大積載量が500kg以下の場合は座席で守られていればOK)
  6. 排気量が2000cc以下(ガソリン車の場合のみ、ディーゼル車は排気量に関する制限はない。)
  7. 長さ4.7m以下
  8. 幅1.7m以下
  9. 高さ2.0m以下

参照元:

https://directstock.co.jp/4number-jyouken/

 

 おまけ~5ナンバーの車を4ナンバーに登録する構造変更にするメリットはあるの??

税金が安くなるという理由で、5ナンバー車を構造変更して、4ナンバー登録したいという需要は結構あります。

 しかし、元々5ナンバーの乗用車には、今回紹介したメリットすべてが当てはまるわけではありません。特に、再販価値は、構造変更によって、改造車扱いとなり、元々の価値よりも、さらに下がる事になります。

よく、ハイエースのワゴンの後部座席を取り払って、4ナンバー登録している車を見ますが、元々バンよりもワゴンの方が買取相場が安い上、構造変更によって、さらに値段が下がります。ハイエースを4ナンバー登録するなら、初めから、バンを買う事を強くおすすめします。

 そもそも、車種によっては、税金もあまり差が付かない場合もあるため、構造変更に係る作業工賃を考えると、ほとんどメリットがない場合もあります。

 さらに、車検も毎年車検となるため非常に面倒になります。

 

5ナンバーから4ナンバーへの構造変更については、具体的に税金がいくら安くなって、それを実現するには、どれくらいの費用が掛かるのか?なるべく慎重に考えた方がいいでしょう。

 私個人の意見としては、あまりおすすめをしないというのが結論です。