ハイエースバンを下取りに出すと20万円損する3つの理由

ハイエース

世にも恐ろしい、ハイエースバン下取りの実態

ハイエースバンは言わずとしれた、海外超人気No.1車種です。

中古車の輸出業者の間では、あまりにも当たり前な事なので、口に出して言うのも恥ずかしいぐらいの事実です。

しかし、一般的にはそんな事実はあまり知られていません。現在ハイエースに乗っている人でも、ごく一部の情報通の人にしか知られていません。

 

とにかくハイエースバンは特別な車なんです!

にも関わらず、恐らく今日も、他の普通の車と区別なく、ディーラーの下取り等で何十万円も損している人が後を絶ちません。

では、なぜ下取りは損なのでしょうか?

ディーラー下取りで損する理由1 人はいらないものに高いお金は払わない

新車ディーラーの仕事はあくまで、”車を売ること”です。彼らにとってのお客様は、車を買ってくれるお客様なんです。

つまり、下取りとは、本来おまけのサービスという事になるのです。

ディーラー側に経てば、「欲しいとは思わないが、新車を売るためには仕方ない」という理屈なんですね。

その証拠に、新車ディーラーが「下取り価格に自信あり!!」なんていう看板を出しているのを見たことはありますか?ないですよね。

だって、下取りしたからには、それを売らなければいけない。新車を売るのが仕事なのに、余計な中古車の在庫を抱えてしまっては、彼らにとって余計な仕事が増えるだけという発想なんです。

ディーラーにとって下取りとは、”新車を売るために仕方なく引き受けているもの”というところが実情なんです。

以前弊社でハイエースバンを売ってくれたお客様がおっしゃっていたのですが、この方は、ディーラーで下取りの見積もりを取った際、親切な営業マンがこっそり教えたくれたそうです。

「うちでは、本部が毎年発行する、下取りの値段表を元に査定するので、安い金額しか出せません。買取専門店等に行けば、もっといい金額で買い取ってもらえますよ・・・」となんというバチあたりな発言でしょう。輸出業者が喉から手が出るほど欲しいものに対して・・・・

いらないものを買うのに、わざわざ高いお金を払う人など、いませんよね。下取りが安くなるといわれる一番の原因はここにあります。

しかし、この理由は、ハイエースバンに限らず、どの車にも当てはまることですよね。ハイエースバンで特別差が出る理由ではありません。

というわけで次はハイエースバンという特別な車に関しての事情です。

しかしながら、どんな車でもディーラーの下取りはダメというわけではありません。新車ディーラーの場合、比較的新しくて、走行距離の少ない車の場合、一般的な買取店で売却するよりも、下取りに出した方が値段が高くなることは良くあります。ただ古い車になればなるほど、新車ディーラーの下取りはダメになる傾向があると考えていいでしょう。

2023年10月追記

ディーラー下取りで損する理由2 ハイエースバンの特殊事情1”海外での異常なまでの人気”

一般的な車においては、10年または10万kmオーバーの車は国内での中古車としての需要がほぼなくなります。ひと昔前までは、そういった車が「下取り0円」「処分料がかかる」と言われるのが常識でした。

しかしながら、最近では中古車の輸出業者が爆発的に増えた影響もあり、海外の人気車種については、どんなに古くても、まだまだ値段が付く車が増えてきています。

さて、ハイエースバンについてですが、海外におけるハイエースバンの人気は凄まじいものがあります。

日本人の私から見れば、それは「異常」と言っていいほどの人気です。

ハイエースに乗ったことのある人ならわかると思いますが、ハイエースは滅多に壊れません。特にエンジンや足回りの丈夫さは表彰ものと言っていいでしょう。

しかしながら、その恩恵を最大に受けているのは、日本人ではなく、海外の人々なんです。

なぜなら、途上国を中心とする海外のハイエースユーザーは、一度車を買うと、一生だれにも売らず、本当に動かなくなるまで乗りつぶします。30万km、40万kmなんて言うのは朝飯前なんです。

海外の人々が、ハイエースに異常なまでに執着する理由はこれなんです。

例え、相場が少しほかの車より高くても、故障のリスクと耐久性を考えれば、当然の事なんです。

当然国内で需要がなくなり、少し値段が落ちた10年10万kmオーバーのハイエースバンはほとんどが海外へ輸出されることになります。

つまり、古めのハイエースバンの中古車オークションの取引相場はほぼ海外の需要で決まると言っていいでしょう。

理由1で少しふれたことですが、新車ディーラーには下取りの価格表というものがあります。

 こちらに関しては、

国内に出回る車種は何百種類もあります。その一車種ごとに値段をつけるのですから、オークションでの取引価格が幾らであろうと、あくまで杓子定規に「10年経過だから」「10万kmオーバーだから」「修復歴があるから・・・」という他の普通の車と同様に、容赦なく値段を下げていきます。

当然、オークション相場を元に査定をする一般の買取店と比べても値段が安くなることになるわけです。

ディーラー下取りで損する理由3 ハイエースバンの特殊事情2 値段のばらつき

ディーラーの下取りや、一般の買い取り店に買い取られたハイエースは、そのほとんどが国内の業者間オークションに出品されます。そこで、輸出業者に落札され、海外へ輸出されています。

一般の買い取り店はそのオークションの落札価格を元に値段を付けることになります。理由2でハイエースバンの買取価格は海外相場が大きく関係していることは分かりました。業者オークションにおけるハイエースバンの相場は完全に海外需要できまります。

しかし、ハイエースバンにおいては、買取がプロの買い取り店でも値段の付け方が難しい一面があります。同じ年式、グレード、走行距離、凹み、傷状態でも、他の要因で大きく落札価格が変動するからです。

その一例をあげます。

ハイエースバンはオートマ車よりも、マニュアル車の方が高い価値がつきます。なぜなら、オートマは万が一壊れてしまうと、修理が非常に難しいからです。マニュアルなら、現地の人々でも簡単に修理ができるからです。その影響もあり、国内の中古車オークションでもATとMTで10~20万ぐらいの開きが出る事もあります。輸出業者が特にMT車を狙っているからですね。とはいえAT車でも十分高いです・・・

こういった、細かい事情になると、中古車買取専門店でも把握できていないのが実情です。ましてや買取が専門ではないディーラーが知るはずもありません。知ろうともしないでしょう。

当然、同じ車を査定した時に、恐ろしい開きが出ることになります。

以前、2004年式の200系ハイエースバンを弊社で査定した時の事です。ドアが交換を要するほど、凹んでいましたが、マニュアル車だったので、35万円の査定額を付けました。新車ディーラーの下取りの査定は5万円だったそうです。

その差実に30万円。この価格帯の車で30万円の差がでているという事は恐ろしい実態ですよね。詐欺と言ってもいいぐらいです。

でも詐欺ではありません。あくまでディーラーもこの場合、ものを買う立場ですから、いくら安く買ったって罪になりませんよね。

 ただ、ディーラーの名誉のために書いておきますが、ディーラーは決して「下取りで儲けてやろう」とは思っていません。ディーラーも、どうでもいい下取りで高く買って、新車販売につなげるという戦略を取れないこともないのです。しかしながら、それをすると本職である新車販売に大きな影響を及ぼしてしまうため、結果的に安く下取りせざる負えないのです。

 このことについては、別の記事に詳しく解説しているので、「【車の下取り】大損しないための知っておくべき6つの真実」を読んでみてください。

また、ディーラでのハイエースの下取りの査定額に疑問を覚えた場合は、是非当サイト「ハイエースの買取・下取り・査定ならボロボロエースカウカウ」をご覧ください。

あとがき

さて、今回はハイエースバンを下取りに損してしまう3つの理由についてご紹介しました。

弊社では、査定額を提示した後に、必ずディーラーの下取りの査定額を聞いています。これまでの弊社の統計では、個々の車によってばらつきはあるものの、平均すると約20万円前後の開きがあるようです。

車の買取で、何社も相見積もりを取るのは確かにしんどいです。特に車の買取店って気軽に問い合わせできない独特の雰囲気がありますよね。

その点では、普段通い慣れている、ディーラーの下取りは確かに”楽”です。

でも、その気軽さの代償が20万円という事実に、売ってからでは誰も気が付かないのです。なぜなら、ひとたび売ってしまえば、車がないので、別の会社に査定してもらいようがなくなるのですから。

そして、今日も、笑顔のディーラーにハイエースバンが次々と格安で下取りされています・・・