車を売ると言えば・・・下取り?または買取専門店??
最近では、一括査定なんていうのもあります。
でも、これらは、素人の車売却手段です。
一方、素人から車を引き取った、プロの業者はというと・・・
基本的に、それらの車を業者のオークションで転売して利益をあげます。
しかし、残念な事に、業者のオークションは資格を持ったプロの業者しか入れません。
あなたが直接オークションで車を売る事はできません。
でも、車業界には、素人とプロの中間、いわばセミプロのような存在があります。
それがブローカーです。
彼らは、基本的にお店を持っていないため、業者オークションに入る資格も持っていません。
それでも車を、素人から安く買って、プロに高く転売するだけで、上手に利益を挙げています。
お店を持たない彼らと、素人との違いは何でしょうか?
それは、車の流通に関する ”知識” のみです。
彼らは、車の買取店の元従業員などの経歴がほとんどで、
この業界の裏側の仕組みを熟知しています。
彼らは、今やネット上で情報が氾濫している一括査定などは使いません。
仕組みを熟知している彼らは、それがナンセンスな仕組みである事をよく知っています。
そんな彼らが、”いかに無駄な手間をかけず、かつ最良の手段で車を売却しているか”を、
この記事で紹介していきたいと思います。
ブローカーは知っている。”なんでも買取屋さん”を競わせるのはナンセンス
今の世の中、車を売る場所はどこにでもあります。
そして、どの店でも、基本的にどんな車でも買取してくれます。
最近では、ガソリンスタンドも、廃車買取1万円なんていうのをやってるぐらいですからね。
でも、車ってメーカーも種類も数えきれない程あるのに、
どんな車でも買取できるって、どういう仕組みなのかな?
て思いませんか?
実は、車の買取の裏には、業者オークションというものがあって、下取りとか買取された車の90%以上はそこに転売されるんですよ。
「なんでも買取ます」って言っている場所、例えば
- ディーラーの下取り
- 車の買取専門店
はとどのつまりは、どこでも違いはないんですよ。
なぜならどこに売っても、転売先は基本的に業者のオークションになるわけですから。
こういったなんでも買取屋さんのビジネスモデルは、とにかく何でもいいから買いまくって、オークションに出す。
要は右から左に流すビジネスというわけです。
逆に言えば、この人達に高く買わせようと、苦労して、10社回っても、20社回っても結果的には限界の価格は同じです。足元を見られないように、最低でも2社か3社程度を競わせれば十分なわけです。
最近は、ネットで車の買取・下取りの情報を得ようとすると、どこもかしこも、一括査定の誘導ページばかりが出てきます。
一括査定サイトへの誘導リンクが張ってあるページは、そのリンクをクリックさせるだけで、数百円の報酬が得られる仕組みになっています。
そのため、都合の悪い事は一切書かれていません。
しかしながら、”タダより恐いものは無い”と言う格言があるように、
一括査定は大変危険なサービスですので、気になっている方は事前に下記記事をご一読下さい。
では、ブローカーは誰に、どのように車を売っているのでしょうか??
業者オークションで車を売る事はできません。
その代わりに、業者オークションで車を買う(仕入れる)人達に、オークションを通さずに直接売っているのです。
彼らは、「個々の車の状況(車種・年式・走行距離等々)ごとに、その車をどんな人が競り落としているか」を知っているのです。
では、オークションで車を買う(仕入れている)人達とはどんな人達でしょうか?
そして、彼らはそれぞれどんな車を仕入れているのでしょうか?
業者のオークションに流された車を買う(仕入れる)人達は誰?
ここからが大事なパートです。
業者のオークションには、何でも買取屋さん達が集めてきた、
ありとあらゆる車が出品されています。
業者オークションは、全国に200か所程あり、一つのオークションで多い場所では一回のオークションで1万台の車が出品されています。毎週決まった曜日に開催されていて、全国で、一週間あたりに20万台近くの車が取引されています。(各会場の取引実績はこちらをご覧ください)
で、ここで車を買う人達は誰か?というと・・・大きく次の3種類の人達に分けられます。
- 中古車販売店
- 輸出業者
- 自動車の解体屋
の三種類の人達です。
ブローカーは、引き取った車が、このうちの誰が欲しがる車なのかを熟知しているのです。
そのため、わざわざオークションを通さずとも、これらの人達にダイレクトに売りに行くことができるのです。
では、中古車販売店・輸出業者・解体屋、それぞれが欲しがる車(オークションで仕入れる車)とはどのような車でしょうか?
中古車販売店がオークションで仕入れる車
- 年式が新しく、走行距離が短くて、修復歴も無く、機関はすべて正常な程度の良い中古車
- 簡単な修理で、そのまま中古車として転売ができそうな車
- 日本国内の中古車としての人気車種
- それぞれの中古車販売店が、お客さんから注文された車
で、ここで問題になるのは、こういった車は中古車屋さんにもっていけば高く買ってくれるか??
という点ですね。
もし、あなたの車が上記の車に該当していて、近くの中古車販売店に持って行ったとします。
そこで、その車が偶然にも、普段その店がオークションで仕入れている車の条件ハマれば、交渉しだいでは高く売れる可能性はあります。
でもその可能性は相当に低いと思ってください。
昨今の日本国内の中古車のニーズは、とてつもなく多種多様化されてきています。
各中古車販売店も、オークションで闇雲に中古車を仕入れていては、滅多なことでは売れません。
今や、各中古車販売店も、”スポーツカー専門店”とか”中古ベンツ専門店”とか各お店の特徴を出さないと、なかなかお客さんに来てもらえない状況になってきています。
しかも、ベンツでも、年式は5年落ち以内で、走行距離5万km以内とか・・かなり厳しい条件で仕入れを行っていますので、
仮にあなたが、ベンツを売りたくて、近くにたまたま、中古ベンツ専門店があったとします。
しかし、あなたが売るベンツとその店が欲しいベンツがマッチするとは限らないわけです。
そのため、中古車販売店も、買取した車のほとんどはやはりそのままオークションへの転売というのが現実です。
もし、あなたが、中古車として、まだまだ通用しそうな、状態のいい車を所有しているなら、
とりあえず、「○○(車種名) 専門店」というキーワードをネットで検索し、中古車販売店を探してみる。っというのは一つの大きなヒントとなります。試して見る価値は十分にあると思いますね。
また、そのようなお店が見つからない場合や、仮に見つかっても一社だけでは足元を見られ兼ねません。
やはり、少なくとも買取店や、中古車販売店を2社以上決めて、競争させるしかベストの金額で売る道はありません。
その際は、一括査定など使わずに、下記の方法で値段を釣り上げていきましょう。これは、実際にブローカー達が日々実践している方法なので、そこそこ大変かもしれません。
でも確実に限界の相場まで、引き上げるには、この方法しかありません。
輸出業者がオークションで仕入れる車
次に輸出業者の欲しがる車について、説明します。
そもそも、中古車の輸出業者というものがある事を知っていますか?
あまり知られていませんが、日本には、個人経営の輸出業者も含めると、3000社以上の輸出業者が存在しています。半数は日本人が経営していて、もう半数は外国人が経営しているという状況です。
業者オークションで取引される全台数の実に1/3は輸出業者が落札していて、そのまま海外へ輸出されているという現状があります。
海外の中古車需要は、日本人の常識とはかなりのズレがあります。
そのため、特定の車種では、考えられないような相場で取引される事もあります。
この海外需要を無視して、今日の中古車売買は成立しません。
逆に言えば、中古車ブローカーという仕事が成り立つのも、一般の人があまり知らない、この輸出業者の存在と彼らの欲しがる車を熟知している事が大きな要因であろうとも言えます。
そんな輸出業者の欲しがる車とはどんな車でしょうか??
「日本国内の需要はこれだけ多種多様化しているのだから、海外の需要はもっとややこしんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実は全く逆なのです。
海外の需要は実際かなりシンプルです。
言い方を変えれば、ある特定の車ばかりが輸出される傾向があります。
おおざっぱに特徴を挙げると次のような車です。
- 年式が古くても、走行距離が短い車 (日本国内で需要が無く、値段が落ちるもの)
- 年式が新しくても、過走行の車 (日本国内で需要が無く、値段が落ちるもの)
- 年式も古く、過走行の車 (日本国内で需要が無く、値段がほとんどないもの)
- 修復歴のある車 (日本国内では、敬遠されるが、一部を除いて海外の人に修復歴の概念は無い)
上記のような車の中でも、ある特定の車種ばかりが輸出されています。
海外の人気車種についてはこちらにまとめていますので、ご確認下さい。
海外と言っても、中古車が輸出される国は、新興国か発展途上の国です。
新車には手が届かない国が、まだまだ走る事のできる日本の中古車を切望しています。
そのため、日本のように、”いい車に乗りたい”という文化ではなく。”安くて長持ちする車”に乗りたいという文化なのです。
日本の中古車を輸入する国々には、「車を乗り替える」という発想はあまりありません。
一度車を買ったら、エンジンが燃え尽きるまで、走り続けます。
そのため、交換部品があまり充実していない車種は、まず売れません。
みんな同じ車種しか乗らないのです。
そのため、国により、多少はばらつきがあるのものの、海外に出ていく車はほぼ決まっていると言っていいでしょう。
オークションに出入りしている車関連業者なら、どれが輸出用の車かは大体把握しています。
何と言っても代表的な車種は
- トヨタ ハイエースバン
- トヨタ カローラ
ですね。
この二車種は弊社が最も力を入れて買取をしている車なので、もしこの2車種を売却予定なら、リンクからそれぞれのページに訪問していただければ嬉しいです。
輸出業者の数は3000社程あると、上に書きましたが、
残念ながら、輸出業者でユーザーからの直接買取をやっている所はほとんどないのが現状です。
弊社は数少ない、ユーザー直接買取の輸出業者ですので、
自分の車が輸出向きの車かどうか、調べたい方は弊社ハイエース買取専門店ボロボロエースカウカウへお問合せいただければ幸いです。
電話またはメールで、概算の査定も可能です。
自動車の解体屋が仕入れる車
さて、最後の解体屋について説明しましょう。
中古車としても、輸出用の車としても、全く需要の無い車もあります。
そのような車でもブローカーは転売して利益を上げています。
彼らはそのような車を ”廃車” として、無料、または処分料を請求して引き取取ってきます。
そして、そのまま解体屋さんに転売するのです。
解体屋さんのほとんどは、一般のお客さんであるエンドユーザーと、業者、相手がだれであろうと分け隔てなく一律の料金設定をしているお店が多いです。
解体屋さんの買取相場は、エンジンの排気量によって決まっている場合が多いです。
軽自動車・・・5000円
普通自動車1000cc以下・・・1万5千円
普通自動車1500cc以下・・・2万5千円
普通自動車2000cc以下・・・3万円
普通自動車2000cc超・・・3万5千円
こんな感じの料金設定で、持ち込みで5000円アップ
というような、サービスもあるところが多いです。
このような金額で買い取れる理由は、
そもそも車は鉄の塊で、解体して鉄の塊として売却が可能だからです。
さらに、使える部品は、リビルトパーツとして再販もできます。
近年は、リビルトパーツを求めに海外からバイヤーが殺到しているため、
大きい解体屋さんの中には、海外から来たバイヤーが長期間住み込みできるように、
寮を建てている解体屋さんもあるほどです。
また、海外の人気車種の場合は、その部品を取る目的で、オークションで買い付けるケースも増えてきています。
しかしながら、一つ気を付けなければいけない事があります。
解体屋さんの場合、
仮にその車が輸出向きの車両であったとしても、一律の料金を敷いていますので、
多くの場合、鉄代としての金額しかつけない場合が多いです。
だから、その車が輸出向きか、そうでないか勝手に判断せずに、例えどんなに古く過走行な車でも、一旦は必ず輸出業者に見積もりを取らせましょう。
それでも、値段が付かない場合に、解体屋さんにもっていけばいいのです。
解体屋さんを調べるには、
あなたの都道府県や地域名で 「○○県(または市) 廃車 買取」 というキーワードで検索します。
解体屋さんであれば、どんな車でも、少なからず値段はつけてくれます。
ブローカーの売り方まとめ
まず、あなたの車をどちらかのタイプにわけてください。
- 年式が新しく、走行距離も短く、修復歴のない車
- それ以外の車
1の場合
「○○(あなたの車の車種名) 専門店」で検索し、出てきたお店、とその他、中古車屋さんまたは買取屋さん、2社~3社程度を競合し、価格を限界まで釣り上げます。
※ 問い合わせを面倒くさがって、安易に一括査定に登録するのはやめましょう。数倍面倒な思いをすることになりますし、査定金額も安くなります。
2の場合
STEP1 買取店や中古車屋さんで見積もりを取る ↓
STEP2 輸出業者で見積もりを取る
(輸出業者で価格が付かないと言われた場合) 解体屋さんを探す
なんでもかんでも、買取屋を競わせればいいわけではありません。
輸出業者や解体屋さんという選択肢がある事を知っておきましょう。
以上で、「個々の車に応じた最適な車の売り方!ブローカーの技を伝授」の記事を終わります。