あなたは今・・・
- 中古車を購入しようとしていて、「修復歴あり」という表示を見たり、聞いたりした。
- 中古車を売却しようとしていて、ディーラーの営業マンや、買取店の営業マンに「修復歴があるので、値段が大幅に下がります」と言われた。
そのどちらかで、戸惑っていませんか??
そこで今回は、日常生活では聞きなれないこの「修復歴」というものについて詳しく解説していきたいと思います。
修復歴の意味を知っているか、知らないかで、中古車の価値は天と地ほどの違いが出る事があります。知らない人は必ずチェックしておいてください。
修復歴とは??
修復歴の定義
車の骨格部位に(基準以上の)損傷があるもの、又は修復されているものを修復歴とする。
参照:一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI) 査定における修復歴の判断基準
ようするに、事故等で、車の骨格(骨組み)に至るような、一定の基準以上損傷やその修理跡を意味しています。
骨格ではない、例えば、バンパーやドア、フェンダーなどに交換や板金跡があっても修復歴にはなりません。
要するに、修復歴の有無を判断するのに、最も大切な事は、車のどの部分が骨格部位なのかを知る事なのです。
車の骨格部位の定義
下記の一覧に挙げたものの内、溶接接合されている部位のみを骨格部位とする。ネジ止めの部位は骨格としない。
- ラジエーターコアサポート
- クロスメンバー(フロント、リア)
- サイドメンバー(フロント、リア)
- インサイドパネル
- ダッシュパネル
- ピラー(フロント、センター、リア)
- ルーフ
- センターフロアパネル
- フロアサイドメンバー
- リアフロア
参照:一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI) 査定における修復歴の判断基準
とまあ、名前をずらずら挙げても、はっきり言って、どれがどの部分なのかさっぱりわかりませんよね??
しかも、そのそれぞれで、修復歴とするか、しないかの判断基準があります。
少しでもイメージしやすいように、ペーパークラフトの模型をつくりました。
総製作時間約7時間の大作です(汗)
これがおおよそ、車の骨格と言われる部分だとイメージしていただければと思います。
で、修復歴が非常にややこしいのは、
これらの骨格が少しでも凹んだり、歪んだりしたら全部修復歴ありになるのかというとそうじゃないんですよ。
しかも各部位によって、修復歴とするもの、しないものの基準が決められています。
各部位の修復歴の判断基準(※JAAI 修復歴の判断基準参照)
ラジエータコアサポート
修復歴とするもの
交換されており、かつコアサポートと隣接するインサイドパネルに、クロスメンバーに曲がり、凹み、サイドメンバーに曲がり、凹みまたはその修理跡があるもの
クロスメンバー
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)曲がり、凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①小さな凹みまたは、その修理跡があるもの(カードサイズ未満の場合)
②突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの
サイドメンバー
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)曲がり、凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①コアサポートより前に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの
②けん引フック取り付け部の損傷又はその修理跡があるもの(カードサイズ未満のもの)
③バンパーステー取り付け部の軽微な凹み又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
④突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの
フロントインサイドパネル、ダッシュパネル
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①コアサポートより前に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの
②軽微な凹み又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
ピラー(フロント、センター、リア)
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)スポット打ち直しがあるもの
3)外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①外部に露出している部位に凹み又はその修理跡があるもの
②ボディサイドシルパネルの単体部品の交換時に生じるピラー下部に溶接処理跡があるもの
③外部を介さない凹み又はその修理跡があるもの
④1BOX車等でルーフパネルからステップまで一体として露出しているパネル状センターピラー等のアウター部はピラーとしない
⑤軽微な凹みまたはその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
ルーフ
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)ルーフ周囲のインナー部に凹み、曲がり又はその修理跡があるもの
3)ピラーから波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
インナー部に軽微な凹み、曲がり又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
センターフロアパネル、フロアサイドメンバー
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの
3)破れ(亀裂)があるもの
4)外部又は外板を介してパネルに凹み、メンバーに長りまたはその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①突き上げ等による凹み、曲がり又は修理跡があるもの
②軽微な凹み、曲がり、破れ又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
リアフロア
修復歴とするもの
1)交換されているもの
2)パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの
3)破れ(亀裂)があるもの
4)外部または外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
①リアエンドパネル又はリヤフェンダー等の交換時に生じた損傷があるもの
②軽微な凹み、破れ又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)
③スペアタイヤ等格納部の突き上げによる凹み、軽微な破れ又はその修理跡があるもの(500円玉未満のサイズの場合)