日本人は物を買うとき、売る時の事を考えて買う人は少ないです。
一度買った物を”売る”という習慣があまりないからです。
そのため、この”リセールバリュー”という言葉は聞き慣れません。
しかし、”車”の購入に際しては、この言葉と、そしてリセールバリューの高い車に関しては、
絶対に知っておくべきです。
知っている知らないで、手元に入るお金が何十万円もの違いを生じる事もあります。
中には、「アホですか!?」と聞きたくなるぐらい高い車が存在します。
例えば、トヨタのハイエースバンはリセールバリューがベラボーに高い事で有名です。
しかし、そのライバル車であるはずの、ニッサンのキャラバンはどうかというと、普通です。
この2車を比較すると、新車時の価格が同じグレードのもの同士を比較しても、売却するときには30万円差が出るなんてことも当たり前にあります。
なぜかというと、中古のハイエースバンは、海外で異常なほどに人気があるからです。
日本人の目から見れば同じような車なのに、海外では評価が全然ちがうのです。
というわけで今回は、ほとんどの人があまり意識はしていなくても、
知っていると、値引きなんかよりず~っと価値のあるリセールバリューの高い車についてまとめてみましたので、ぜひご一読ください。
そもそもリセールバリューとは??
リセールバリューとは・・・新車で購入した車が3年後にどの位の価値が残っているかを指標化したもので、リセール(再び売る)時の価値(バリュー)を残価率で示しています。
出典:ガリバー
URL:https://221616.com/resale/
要するに・・・買ったものを、売る場合の価値という意味ですが、ガリバーさんの定義で3年と決まっているようです。ちなみに「リセールバリュー」という言葉はガリバーに商標登録されています。
登録商標にするとは、ガリバーさんおそるべしですね。
まずは3年後のリセールバリューランキング
3年後のリセールバリューの算出にあたっては、業者オークションの相場を利用しました。それぞれ、3年落ちで走行距離が3万km~5万kmの車両で相場を調べています。
さすがに、全車種調べる事が出来ないので、各ボディースタイル別の人気車種15位までの車をピックアップし、その中で残価率を調べ、最終的に残価率の良かったベスト10をランキングにして並べています。
新車価格と、買取相場は当該車種の最低のグレードの価格で算出しております。(最低のグレードが無い場合は、一つ上のグレードにしています)
人気車種の中でも3年前に発売されていなかった車種は、リセールバリューを検証することができないため、今回は掲載していません。
コンパクトカー
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | トヨタシエンタ | 150.7 | 95 | 63.0% |
2 | トヨタルーミー | 149.1 | 80 | 53.7% |
3 | トヨタタンク | 149.1 | 80 | 53.7% |
4 | スズキソリオ | 135.1 | 70 | 51.8% |
5 | スズキスイフト | 86.9 | 45 | 51.8% |
6 | トヨタヴィッツ | 89.7 | 45 | 50.2% |
7 | スズキジムニーシエラ | 182.6 | 90 | 49.3% |
8 | ホンダフィット | 117.2 | 50 | 42.7% |
9 | トヨタパッソ | 99 | 35 | 35.4% |
10 | ダイハツブーン | 99 | 35 | 35.4% |
軽自動車
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | スズキハスラー | 112 | 70 | 62.5% |
2 | ダイハツムーブキャンバス | 121 | 75 | 62.0% |
3 | トヨタピクシスジョイ | 124 | 75 | 60.5% |
4 | スズキキャリイ | 67 | 40 | 59.7% |
5 | スズキエブリイ | 88 | 50 | 56.8% |
6 | トヨタピクシスメガ | 125 | 70 | 56.0% |
7 | スズキジムニー | 135 | 75 | 55.6% |
8 | ダイハツハイゼットトラック | 63 | 30 | 47.6% |
9 | スズキスペーシア | 119 | 55 | 46.2% |
10 | スズキワゴンR | 76 | 35 | 46.1% |
ハッチバック
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | ホンダフリード+ | 198 | 100 | 50.5% |
2 | レクサスCT | 348 | 170 | 48.9% |
3 | トヨタプリウス | 233 | 105 | 45.1% |
4 | BMW1シリーズ | 307 | 125 | 40.7% |
5 | 三菱RVR | 194 | 75 | 38.7% |
6 | メルセデスベンツAクラス | 304 | 115 | 37.8% |
7 | スバルインプレッサスポ-ツ | 182 | 60 | 33.0% |
8 | フォルクスワーゲンゴルフ | 259 | 70 | 27.0% |
9 | 日産リーフ | 300 | 80 | 26.7% |
10 | フォルクスワーゲンポロ | 215 | 50 | 23.3% |
ミニバン
1 | トヨタアルファード | 343 | 273 | 79.6% |
2 | トヨタエスティマ | 317 | 237 | 74.8% |
3 | ホンダフリード | 216 | 161 | 74.5% |
4 | トヨタヴェルファイア | 343 | 248 | 72.3% |
5 | トヨタエスクワイア | 299 | 202 | 67.6% |
6 | 日産セレナ | 257 | 166 | 64.6% |
7 | ホンダオデッセイ | 320 | 206 | 64.4% |
8 | トヨタヴォクシー | 255 | 161 | 63.1% |
9 | ホンダステップワゴン | 271 | 171 | 63.1% |
10 | トヨタエスティマハイブリッド | 502 | 300 | 59.8% |
SUV
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | レクサスRX | 495 | 390 | 78.8% |
2 | トヨタランドクルーザープラド | 360 | 243 | 67.5% |
3 | トヨタハリアー | 300 | 193 | 64.3% |
4 | スバルフォレスター | 297 | 165 | 55.6% |
5 | ホンダヴェゼル | 220 | 120 | 54.5% |
6 | ジープレネゲード | 387 | 204 | 52.7% |
7 | ジープラングラー | 396 | 208 | 52.5% |
8 | トヨタC-HR | 286 | 149 | 52.1% |
9 | 日産エクストレイル | 289 | 147 | 50.9% |
10 | トヨタRAV4 | 242 | 113 | 46.7% |
ステーションワゴン・ミドルサイズハッチバック
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | スバルレヴォーグ | 291 | 143 | 49.1% |
2 | トヨタカローラフィールダー | 177 | 74 | 41.8% |
3 | ホンダシャトル | 169 | 69 | 40.8% |
4 | メルセデスベンツCLAシューティングブレーク | 451 | 182 | 40.4% |
5 | メルセデスベンツCクラスワゴン | 639 | 251 | 39.3% |
6 | ボルボV60 | 499 | 184.5 | 37.0% |
7 | フォルクスワーゲンゴルフヴァリアント | 299 | 109 | 36.5% |
8 | BMW3シリーズツーリング | 602 | 190 | 31.6% |
9 | アウディA4アバント | 653 | 180 | 27.6% |
10 | トヨタサクシードバン | 161 | 44 | 27.3% |
セダン
リセールバリューランキイング | 車名 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
1 | トヨタクラウン | 420 | 220 | 52.4% |
2 | トヨタカムリ | 342 | 165 | 48.2% |
3 | メルセデスベンツEクラス | 746 | 314 | 42.1% |
4 | 日産スカイライン | 443 | 182 | 41.1% |
5 | スバルインプレッサG4 | 198 | 79 | 39.9% |
6 | メルセデスベンツCクラス | 586 | 230 | 39.2% |
7 | メルセデスベンツSクラス | 1123 | 387 | 34.5% |
8 | メルセデスベンツCLAクラス | 506 | 165 | 32.6% |
9 | ボルボS60 | 459 | 143 | 31.2% |
10 | レクサスLS | 854 | 253 | 29.6% |
3年後のリセールバリューの総評
3年、3万kmというと、傷や凹みが無ければ、パッと見ると、新車とほとんど変わらないような状態です。
また日本車であれば、まず故障もないでしょうし、何の問題もない状態かと思います。
にもかかわらず、リセールバリューは高くても60%程度。通常は50%以下になるという事がこのデータよりはっきりわかりますね。
この表からいえる事は、新車を買って、3年程度で、また次の車に乗り換えるというような車の買い方が、最もコストパフォーマンスの悪い、車の乗り方だというところでしょうか??
しかし、このデータはあくまで、一般的な下取りの相場を元にしたものですので、実際の買取金額ではありません。
実際には、様々な特殊事情で、リセールバリューがアホみたいに高い車も存在しています。
それらを以下に紹介していきます。
まずは7年後のリセールバリューについて紹介していきます
7年後のリセールバリューがアホみたいに高い車特集
3年後のリセールバリューについては、イエローブックの値を使いましたが、こちらは、実際の業者オークションの相場を調べて、買取相場を計算しています。
イエローブックは、輸出の相場が含まれておらず、5年以上経過した車の場合、実際の買取相場と著しくかけ離れた相場を書いている事が多いため、7年後のリセールバリューには使用していません。
7年落ちで、走行距離が5万km~8万km程度で、修復歴が無く、目立つ傷凹み、故障の無い車という前提での買取相場で、算出しています。
では見ていきましょう。
リセールランキング | 車名 | メーカー | 型式 | グレード | 新車価格(万円) | 買取相場(万円) | 残価率(%) |
1 | ランドクルーザープラド | トヨタ | TRJ150W | TX | 314.2 | 225.0 | 71.6 |
2 | ハイエースバン | トヨタ | KDH201V | 305.8 | 175.0 | 57.2 | |
3 | ハイエースワゴン | トヨタ | TRH224W | グランドキャビン | 300.0 | 150.0 | 50.0 |
4 | ハリアー | トヨタ | ACU35W | L package | 291.0 | 145.0 | 49.8 |
5 | GT-R | 日産 | R35 | ピュアエディション | 828.0 | 400.0 | 48.3 |
6 | RAV4 | トヨタ | ACA31W | X | 212.3 | 100.0 | 47.1 |
7年後のリセールバリューの解説
1位のランドクルーザープラドのリセールバリューが群を抜いています。なんと7年間使用(走行5万km以上)して70%という驚異的なリセールバリューとなっています。
新車で314万円で購入して、7年後、7万km乗って、225万円で売れるという計算です。完全にアホですよね??
「ん??ちょっとまて、3年後のリセールバリューより高くなってないか?」
そう気が付いた人もいるでしょう。
もちろん、3年後のリセールバリューより7年後の方が高くなるなんてことは実際に起こりえません。
これは、3年後のリセールバリューがイエローブックの値を採用しているからなのです。海外の需要を無視しているので、実際より低い数字となっているのです。
つまり本来であれば、ランドクルーザープラドのリセールバリューは、新車から7年以内であれば、普通に売れば、70%以上の買取価格で売りぬけるという事なのですね。
なぜ、このような異常な金額で中古車が取引されるのか??
その理由は、
”海外における異常なまでの人気”
という一言に尽きます。
海外の需要にはまると、アホみたいな金額で売れる理由
通常、日本国内の中古車の相場は、経過年数ごとに一定の割合で価値が下がっていきます。
なぜそうなるのか?詳しい理由は、「【車の下取り】大損しないための知っておくべき6つの真実」という記事にまとめています。
簡単に言えば、政府や車メーカーの思惑があり、一定の割合いで価値が下がるように計画されていると表現しても間違いないでしょう。それがある意味でイエローブックのようなガイドブックが存在している理由です。
しかしながら、一部の車種では、政府や車メーカーの思惑をよそに、異常なリセールバリューを維持している車が存在しています。
それが、海外の人気車種なのです。
海外で人気に火が付いた車種は、国内の中古車輸出業者同士で、取り合いになり、結果的に業者オークションで価格が異常なまでに吊り上がります。
そうすると、輸出業者への転売を目的に、買取業者が取り合いをすることになり、結果的に買取相場が高騰するというメカニズムになります。
特に、7年未満の車種については、ケニアという輸入大国の輸入規制の影響をもろに受けていますので、ランクルプラドのような異常なリセールバリューの直接的な原因となっているのです。
ケニアの輸入規制については、「7年目(3回目)の車検を迎えるあなたへ!ケニアの件知ってます!?」という記事で詳しく書いていますので、気になる方はこちらもご一読ください。
もちろん海外で日本車を待っている日本車ファンはケニアだけにとどまりません。
国内では、「10年、10万km走ると廃車」 という常識がありますが、海外の人はそんな車を狙っています。
そのため、10年、10万km以上はしっているのに、国内の常識では考えられない、異常なリセールバリューを維持する車も存在しているのです。
次はそんな車をまとめました。
10年かつ10万km超でもまだアホみたいに価値のある車特集
ランク | 車種 | メーカー | 型式 | グレード | 新車時価格(万円) | 買取相場(万円) | 残価率 |
1 | ハイエースバン | トヨタ | KDH200V | スーパーGL | 256.0 | 90.0 | 35.2 |
2 | ハイエースワゴン | トヨタ | TRH224W | グランドキャビン | 290.0 | 100.0 | 34.5 |
3 | GT-R | 日産 | R35 | ピュアエディション | 828.0 | 230.0 | 27.8 |
4 | ランドクルーザープラド | トヨタ | TRH120W | TX | 314.2 | 80.0 | 25.5 |
5 | ハリアー | トヨタ | ACU30W | 240G | 267.0 | 55.0 | 20.6 |
6 | RAV4 | トヨタ | ACA31W | X | 209.0 | 40.0 | 19.1 |
国内の中古車業界においては、
「10年、10万km以上の車に価値はない」
という常識があります。
実際に、10年、10万kmを超えた車を中古車として購入する人はほとんどいません。
しかし、この表のように、そんな国内の常識を完全に無視した、リセールバリューを誇る車が沢山存在しているのです。
『ウソだろう?』と思われる方もいるかもしれませんので、実際に表でも1位と2位に輝いているハイエースの弊社における買取相場表をのぞいてみてください。
ここでは、その中でも際立っている車を乗せていますが、ここまでではないものの、
まだまだ十分に価値のある車は他にもあります。
そして、中には、20年近く経っても、まだ本当に”アホみたいな金額”で買取させる車もあるのです。
最後は、そのビックリ仰天のリセールバリューを誇る車特集です。
番外編 20年近くたっても、アホみたいな値段で売れる車特集
車名 | メーカー | 型式 | グレード | 新車時価格(万円) | 買取相場(万円) | 残価率 |
スカイラインGT-R | 日産 | BCNR33 | GT-R | 498.5 | 150.0 | 30.1 |
スープラ | トヨタ | JZA80 | RZ | 457.0 | 100.0 | 21.9 |
NSX | ホンダ | NA1 | 標準 | 987.7 | 200.0 | 20.2 |
カローラ | トヨタ | NZE120 | X | 132.0 | 25.0 | 18.9 |
ハイエースバン | トヨタ | LH172V | DX | 187.6 | 30.0 | 16.0 |
GT-R、スープラ、NSX などの、バブル期に全盛を迎えたスポーツカーのリセールバリューは異常です。
他にも、ランエボ、スバルのインプレッサSTI、トヨタのMR-2など、似たようなスポーツカーもまだまだ価値があります。
これらについては、国内にもまだまだマニアがいて、需要がある上に、海外でもマニアがビックリするような金額で買っていきます。
これらの車はすでに生産は終了しています、そして海外にもどんどん流れていきます。
つまり、欲しい人にとっては、年々希少価値が高まり、なかなか手に入らない状況になっています。
そうすると、おのずと価値が上がっていきます。その影響で、ここ数年でも少しずつ値段が上がってきています。
カローラやハイエースについても、状況は似ていますが、これらについては、型式や、形状により事情が異なります。
ハイエースの場合、マニュアルである場合は、さらに金額が高くなります。
もちろんこれらは完全に海外の需要によるものです。
もし、20年後にこの金額で売れる事がわかっていたら、みんなこの車を新車の時に買っていたでしょうね。
しかし、今回の記事をじっくり読めば、ある程度の予想は立てられるでしょう。
これを参考に、リセールバリューの高い車を選らんで欲しいと思います。
以上です。