あなたは、価格交渉が得意ですか?
日本人には、そもそも価格交渉という文化がありません。
実はそれこそが、”車の買取” という日本独自のビジネスを支えているのです。
その証拠に海外には”車の買取というビジネス”は存在しません。
それは、価格交渉が当たり前の国では、車の買取というビジネスが成り立たない事を意味しています。
つまり、日本の買取ビジネスは、客が価格交渉をしないからこそ成り立っているビジネスなのです。
もし、あなたが、この記事を最後まで読み、限界の査定額を得る交渉術を身に付ける事ができれば、業者の利益を20万円程減らす事ができるかもしれません。
それはつまり、あなたが業者からプラスアルファ20万円の査定額を勝ち取る事ができる事を意味しているのです。
交渉以前に!!買取店は車の査定の際、○○を一番よく観察しています!?
車を売却する際、買取店は車を査定します。
もちろん、車を観察するのは大事ですが、
それ以上によ~く観察しているものがあります。
それは、お客さん自身なんですよ。
「えっ!??車見せに行ってんのに???」
勿論、車の傷、凹みや修復歴の観察は値段を決めるのにどうしても必要ですが、
それ以上に、最もよく観察しているのは、お客さん自身です。
実は、あなたの車を査定した場合、買取店で最も価格に影響を与えるものは、
あなた自身の言動や行動になります。
つまり、買取店は、あなたなら、「どの位安い金額で車を売ってくれるか?」を査定していると言っても過言ではありません。
そもそも車の買取の限界価格は、少し車を見ればすぐわかる。
そもそも、車の買取金額の限界の価格は、業者のオークション相場という、
- ディーラーであろうと
- 中古車販売店であろうと
- 買取専門店であろうと
- 輸出業者であろうと
どこでも全く共通の絶対的な相場があります。(オークション相場に関する説明はこちらの記事をご確認下さい)
上記の誰が見ても、全く同じデータと照らし合わせて、あなたの車が最終的にどれくらいの価格で転売できるかを見るわけですから、どの業者に査定を頼んでも、その車の限界価値はほぼ同じと言っていいでしょう。
要は、どれくらい、その限界の相場に近い金額を出すのかの勝負になってくるわけです。
さてここで、買取した車をオークションで転売する事が本業の買取専門店に対して、
仮に、来店する客すべてが交渉のスペシャリストであったとしましょう。
そして、オークション相場ギリギリまで、買取価格を引き上げてしまうと。どうなるでしょう??
何十台、何百台買い取っても、全く利益が出なくなります。
つまり、買取店の利益は、個々の車のオークションの相場より、いかに安く買えるかによって、
大きく左右されるわけです。
だから、最も彼らが注意して見極めなければいけない事は、車ではなく、あなたがどれぐらい安い価格で売ってくれる人であるか?という事なのです。
というわけで前置きが長くなりましたが、本記事では、
- 買取店があなたのどこを観察しているのか
- また、どのように交渉すれば、相手にベストの金額を提示させることができるのか?
をまとめていきたいと思います。
重要ポイント1「どこから来たのか?」入口について
これは、かなり重要なポイントです。あなたがどうやって、その買取店に問いあわせをしたのか?その経路を観察する事です。
具体的には
- カンバンやCMでその買取店を知っていて、それがきっかけで来店したのかどうか
- 知り合い、友人等からの紹介で来店したのかどうか
- 折り込みチラシその他紙媒体の宣伝を見て来たのかどうか
- ファーストコンタクトが電話かメールか、いきなりの来店かどうか
- インターネット経由かどうか
入口を知る事で、買取店側は、お客さんがどの程度「車の買取」の仕組みを知っているのかを推測する事ができます。
入口(問い合わせ時)における最重要ポイント!!
最も重要な決め手は、ネットを経由しているかどうかですね。
ネットの情報は残念ながら、一括査定の宣伝ページばかりで、基本的に記事の内容自体はデタラメが多いです。
※一括査定は本サイトでは基本的に薦めていません理由は下記に書いていますので、気になる方はご一読下さい。
しかしネットではどのサイトも、買取店は競わせれば、どんどん査定額が高くなるという事が書かれています。これ自体は、間違いのない真実であるため、
ネット経由で来たお客さんは、
買取店側からすれば、仕組みを知っているだけに、”一筋縄でいかない客”なのです。
そのため、何も下調べをせずに来店した客と同じレベルの金額で交渉はできません。それなりの金額で勝負せざるを得なくなります。
もちろん車種にもよりますが、
「ネットでいろいろ調べて御社に問いあわせした」と電話であらかじめ言っておくだけで、買取店の査定額は5~10万円程、場合によっては20~30万円程も、変わる事も考えられます。
すでに、あなたはこのサイトで買取店の仕組みを相当勉強していますので、
必ず、問い合わせの際に、ネットですでに学習している事が相手に分かるようにしましょう。
いきなりの来店は絶対にNGです!
車の買取店という場所は、コンビニのように、気軽に入れるような場所ではありません。
何かしら、買取というビジネスが怪しいという情報は、ほとんどの人が何かのきっかけで一度は耳にしているからですね。
しかし、時々、なんの連絡もなしにいきなり、飛び込んでくるお客さんもいます。
買取店にすれば、このようなお客さんはまさに
「飛んで火にいる夏の虫」 なのです。
なぜなら、ただでさえ相当入りにくい買取店に、いきなり車を持ち込んでくれるわけですから、
「私はあなた達を一切警戒していません。煮るなり焼くなり好きにして下さい。」
と宣言しているようなものだからです。
当然、このような客に対しては、そういう客を接客するマニュアルがあります。
当然査定額も、”警戒ゼロ客”用の査定額が提示されることになります。こういった客でガッポリ儲けるのが、大手の買取専門店の醍醐味でもあります。
この記事をわざわざネットで調べて読んでいるあなたは、まずこうなる事は無いと思いますが、
高年齢層のネットが苦手な世代の人は、かなりの割合で、この”警戒ゼロ客”になっている可能性があります。
そのような身内や、知り合いがいる場合、大損しないために、この記事を紹介していただければと思います。
大手のフランチャイズ買取店が継続的に利益を上げていける事実は、このような、”上玉の客”がいまだにそこそこの割合で存在している事を証明していると言えますね。
重要ポイント2 電話問い合わせ時の内容。
上記のように、いきなりの来店はどれだけ急いでいても、絶対にNGです。
まずは、電話で問い合わせをしましょう。
買取店は、電話で問い合わせを受けた時点で、すでに「あなたがどういう客であるか」を観察し始めます。
彼らが見極めたいポイントは下記のものです。
- 車売却のきっかけは別の車の乗り換えか?乗り換えの場合は、ディーラーの下取りの見積もりは取っているのかどうか?
- 他の買取店の見積もりはすでに取っているのかどうか?何社ぐらい廻って来ているのか?
- どの程度の金額を予想または期待しているのか?
- なぜ、この買取店を選んで問い合わせをしてきたのか?
当然ならがら、下記のような客の場合、査定額は安めの設定になります。
- ディーラーの下取りの次に来店する客
- 他の買取店ではなく、一番最初にその買取店に問いあわせてきた客
①は、買取店の最重要顧客です。最も大幅な利益が期待できる客だからです。これについては別記事ですでに理由を詳細に書いていますので下記記事をご一読下さい。
②の場合、あなたがどの程度その店で売却する気があるのかどうか?を探りに来ます。最初の店でなおかつ売る気満々の客である事がわかれば、査定金額は当然最低レベルになります。
仮に、あなたがこのような状況で、買取店に問いあわせするにしても、そうである事を悟られないように十分警戒して問い合わせを入れましょう。
また、あなた自身も、電話で相手がどのような買取店なのかを見極める必要があります。
電話問合せのポイント1 電話だけで概算価格を要求する。
電話連絡をする時点で、車(あなた自身)の査定は始まっていると考えた方がいいです。
電話をかけたときから、相手にリードを委ねると、買取店側のマニュアルにはまってしまいます。
ですので、必ずこちらがペースを握るようにしましょう。
具体的には、以下の手順で話を進めます。
手順① まず電話を掛けた時点で、こちらから質問する。
具体的にはこのように質問するといいでしょう。
「質問があるのですがよろしいでしょうか? 年式・型式(かたしき)・走行距離・グレードをお伝えするので、概算の査定金額を電話で聞くことはできますか?」
もちろん、すべて事前に自分の車のこれらの情報を把握しておく事が重要です。
なぜこの4項目をあえて伝えるのかと言うと、
実は、この4項目がわかれば、実際のオークションの相場を検索して、相場をある程度の範囲まで絞り込む事ができるからです。
最も大切な情報は”型式”ですね。
型式は、車のユーザーにとっては基本的に必要のない記号ですが、
車屋さんが車の価格を調べる際はどうしても必要な記号です。
もし、すでに数社査定をしてもらっているユーザーならば、相場を調べる際に、型式が必要になる事はすでにわかっています。
買取店側は、”型式”という言葉が出てくる客は、少々事情を知っている人という風に認識するわけです。
もし、仮に、買取店に質問された際に、
「型式は何でしょうか??」 と聞かれて、
あなたが「カタシキってなんですか?」と答えるようでは、
他に相見積もりを取っていない客という事を相手に悟られてしまうわけですね。
手順② 来店を促す相手の返答に対して、切り返す。
「電話で概算の査定額を言ってくれ」
と言っても、基本的に、すぐには教えてくれません。
まれに、すんなり概算金額を提示する店もありますが、普通はなかなか値段については言いません。
大抵は「車は実物を見ないと値段が出せません。」と言ってきます。
そのような場合は
「他社は、電話で概算価格が教えてくれたのですが」と切り返しましょう。
それでも「実物を見てみないと・・・」
という返答が帰ってくれば、そのお店は断った方がいいでしょう。
そのようなお店は、そもそもまともな金額で買い取るつもりは毛頭ないという事です。
ある程度、買取金額に自信のあるお店では、概算査定に必要なその他の項目を尋ねてきます。
その他の項目とは
- 車の機関等の故障の有無、大体の状態
- 外装・内装の傷へこみ、サビ腐食の有無
- 装備品(オーディオ、ナビ等々)
- 修復歴
等々です。
そこまでわかれば、概算の査定は本来できるはずです。
そもそも、こういった項目を聞いてこない場合は、とにかく来店させて、
その後の交渉で、その日に契約書を書かせるという戦略のお店がほとんどですので、
電話の時点で断った方がいいでしょう。車の買取店など、いくらでもありますからね。
また、「他社の見積もりはいくらぐらいですか??うちはそれ以上だします。」
というような、返答をしてくるお店もあります。
しかし、間違えても、こちらから値段を提示してはいけません。
「御社の本当の価格が知りたいので、他社の価格は言えません」
と言っておきましょう。
当然ですよね。こちらは、相手のベストの金額を求めているわけですからね。
価格の話をし始めると、買取店はいろいろ探りを入れてきます。
とにかく、無駄に高いお金を付けたくないので、仮に競争があっても、その中でもなるべく安い金額で買いたいわけですからね。
なので、こちらも絶対にどんな金額も見せてはいけません。
ポーカーフェイスを貫いてください。
手順③ 同じように数店舗に電話し、2社か3社に照準を定めます。
手順②で何社かに電話し、概算価格をキチンと提示する会社の中で2社、3社程度に絞り込みましょう。
店舗に出向いて実物(車)の査定をしてもらう。
電話で、2社、3社程度に絞る事ができたら、実物の査定をしてもらいましょう。
私がおすすめする方法は、店舗に出向く方法です。
実車査定の際の交渉のポイント
雑談にも注意が必要
査定を待つ間も、あれこれ雑談はして来ると思いますが、何件くらい回ってきたのか、どの買取店で見積もりを取ったのか?
他社がどれくらいの金額であったのか、どのくらいの金額を予想しているのか??
等々、確信に触れる質問が来た場合は、絶対に質問に答えないでください。
中でも、他社の金額については、絶対に言ってはいけません。
なぜ他社の価格を言ってはいけないのか?
何度も書きますが、どの買取店もなるべく安く買取したいという事は間違いありません。
なので、無駄に高い金額を出さないように、あの手、この手で他社の見積もり金額や、あなたの希望金額等を探ってきます。
電話の時でもそうですが、実物の査定の際も、金額については絶対に相手に目安を与えてはいけません。
価格の目安を相手に与えた時点で交渉は相手のペースになります。
相手は他社より低い金額では、どんなにサービスを頑張っても買えないのはわかっています。
だから、他社よりほんの少し高い金額を提示したいのです。
かといって、他社より断然高い金額は絶対に出したくない。
それは買取店にとっては、お金をどぶに捨てる行為だからです。
一方あなたは、そのような相手に、限界ぎりぎりの値段を引き出させなければいけません。
そのためにはとにかく、ベストな金額を出すせるように、ポーカーフェイスを貫くのです。
買取店が出してきた金額に対しても、なにも反応してはいけません。
例え、それが他社より高くても、安くても、満足いく金額でも、驚くほど安くても、とにかく無反応を貫いてください。
交渉の絶対の基本は相手に金額という決定的情報を与えない事です。
絶対に車を見せたその場で契約しない
実物を見せたその場で絶対契約してはいけません。
見せる日は見せるだけに徹してください。何があっても、そのまま契約してはいけません。
「今日契約していただければ○○円です。」
とか 「今なら、この車を欲しがっているお客様に直接売れるので、○○円です」
とか、即決を迫る言葉で、契約を迫られる事になります。
しかし、その日に、その金額が出せるのであれば、3日4日で、値段が変わる事はまずありません。
さらに、こちらはわざわざ出向いて言っているわけですから、その日に決めなければいけない理由はありません。
「今日は値段を聞きに来ただけなので」
と毅然とした態度を取って、堂々と帰りましょう。
「仮に明日になったら価格は下がります」
と言われても、心配いりません。
今日その値段で、次の日に値段が下がっていることはまずありません。
中古車の価格相場はそこまで、変化の激しいものではありません。
とにかく、店舗の中で提示された金額が限界ぎりぎり100%である事は絶対にありませんので、
とにかく、何があっても、帰るという事が絶対条件となります。
本格的な価格の交渉は、家に帰ってからなのです。
全ての会社に実物をみせて、電話で価格交渉をする。
さて、ここまで来れば、ようやく準備が終了です。
どの会社も、すでに実物の車を見たわけですから、もう適当な金額は提示できません。
ここからは本気の金額しか提示できません。
そして、再び電話での交渉に持ち込みます。
本格価格交渉の手順
すでに、最初の査定額は出そろっていますので、店舗での査定で最も安い金額を付けた店舗に電話します。
「御社よりも高い金額を提示した店舗があります。ベストな金額を提示してもらえますか?」
と尋ねてます。
そして、出された金額が、最高額を提示した金額を上回るか、
相手が「もうこれ以上は出せません」
とあきらめるまで、ベストの金額を求めつづけます。
最高額の店舗が入れ替われば、その時点で一番安い金額を提示している、店舗に電話をかけ、上記と同じ質問を繰り返します。
あとは、1社を除くすべての会社があきらめるまで続けます。
車買取業界の仕組みを理解している業界のプロから見れば、この方法をやられると、手も足も出ません。
まさに、「尻の毛まで抜かれる」
状態になります。
ポイントはやはり、とにかく「他社の金額を絶対言わない」という点ですね。
「ベストな金額を出せ」と要求しているにもかかわらず、
何回もベストである金額が更新されていきます。
自分達がベストと言って提示している金額を自ら更新していくことになりますから、
買取店も立場がありません。最後まであなたが交渉の主導権を持ち続ける事ができます。
一度でもあなたが、買取店に対し
- 希望金額
- 他社の金額
等を言ってしまうと、交渉の主導権は買取店側に渡ってしまいます。釣り上げようとすると、相手にウソをついたり、裏切ったりしないといけなくなり、心理的負担が強くなります。
ですので、プロとの交渉においては、自分が絶対に不利な立場に立たなくていいように、上記に書かれた事を徹底して行う事をおすすめします。
もっと手っ取り早い方法は無いの?
今ネットで、車の買取や下取りに関する記事を読むと、必ず一括査定の誘導サイト記事に遭遇します。
しかし、実際一括査定に登録すると、上記の方法よりも大変な負担を強いられた上に、登録したとたんにあなたの車の価値が5万円程下がってしまう仕組みになっています。
これに関しては下記記事で一括査定の仕組みを良く理解しておきましょう。
今回の記事との関連で一括サイトのデメリットを挙げてみると
- 登録した時点で問い合わせ経路が相手にバレる
- 買取店同志、どの買取店が同じ車情報を握っているか把握できる
- 一括査定サイトの利益分だけ、査定額が減額されてしまう。
- 登録した以上は、その中で一番高い金額を付けた店で売らなければいけない状況になる。
- 3社程度で十分な交渉相手が、10社以上になり、無駄な労力と時間を割かなければいけなくなる。
一括査定は、サイト運営業者・アフィリエイター・買取専門店が儲けるための仕組みで、決してあなたの労力に見合うだけのメリットはありません。
どうしても時間がなくて、業者を一斉に集めて目の前でセリをするにしても、自分で数社にアポをとり業者を集めるようにしましょう。
セリは必ずオークションの要領でやりましょう。名刺の裏に値段を書いてもらう入札方式は安値争いのチキンレースになりかねません。
以上で「車買取の査定額を20万円引き上げる交渉術」の記事を終わります。