SUV(エスユーブイ)・・・
最近、車のCMをみると、良く聞くフレーズですね。
なんとなくイメージは沸きますよね。
でも、いざ誰かに「SUVってどんな車なん??」と聞かれたら・・・どう答えますか?
「えっつと・・・なんだかその、スポーティかつアクティブで・・・なんというかその・・スタイリッシュでダルビッシュな・・・・・・」
と支離滅裂な答えになっちゃいますよね???
なんとなくイメージはあるけど・・・実際どんな車でどんなメリットデメリットがあんの??
そんなSUV車が気になり始めたあなたに、
同じく、つい最近まで、SUVというタイプの車が良くわかっていなかった私が解説していきたいと思います。
SUVとは・・・?一体何の略?どんな車のこと?
- S → Sports(スポーツ)
 - U → Utility(ユーティリティ)
 - V → Vehicle(ビークル)
 
の略だそうです。
Sports(スポーツ)はまあいいでしょう。Vehicle(ビークル)は自動車って意味です。
で、一番肝心な単語Utility (ユーティリティ)の意味は調べるといろんな意味がありますが、ここでは”万能な”って言う意味がしっくりはまりそうですね。
私が勝手につけた訳でいえば、スポーティな万能車ってところでしょうか??
スポーツやアウトドアなどの多彩なシーンで利用でき、なおかつオフロードの悪路にも適応し、どんな環境でも万能に活躍する車をイメージしてもらえればいいかと思います。
(※ちなみに、SUVには一応正式な?日本語訳があるようで、スポーツ用多目的車っていう訳がついているようです。)
では具体的にはどんな車をSUVと呼ぶのでしょうか?
具体的なSUVの例
トヨタ車
- FJクルーザー
 - C-HR
 - ハリアー
 - RAV4
 - ランドクルーザー
 - ランドクルーザープラド
 - ヴァンガード
 - クルーガー
 - ヴォルツ
 - キャミ
 - ハイラックス(サーフ)
 - メガクルーザー
 - ラッシュ
 
日産車
- エクストレイル
 - ジューク
 - ムラーノ
 - デュアリス
 - ダットサントラック
 - スカイラインクロスオーバー
 - サファリ
 
ホンダ
- ヴェゼル
 - CR-V
 - HR-V
 - クロスロード
 - エレメント
 - MDX
 
マツダ
- CX-3
 - CX-5
 - CX-7
 - CX-8
 - トリビュート
 - プロシード
 
三菱
- パジェロ(イオ、ジュニア、ミニ)
 - アウトランダー
 - ジープ
 - RVR
 - トライトン
 - エアトレック
 - チャレンジャー
 
スバル
- XV
 - フォレスター
 - レガシィアウトバック
 - エクシーガクロスオーバー7
 - トライベッカ
 
スズキ
- エスクード
 - ジムニー
 - クロスビー
 - グランドエスクード
 
ダイハツ
- テリオス(キッド)
 - ビーゴ
 
現行のものでないものも含んで、これらがSUVと呼ばれるタイプの車です。
昔はクロスカントリーというカテゴリーで呼ばれていた車ですね。
4WDのイメージがありますが、必ずしも4WDではありません。2WDの車も多々あります。
SUVのメリットとは?
SUVの車のメリットをシンプルに理解するには、これがそもそも何の目的で、作られたかをイメージすると非常にわかりやすくなります。
SUVの目的は、シンプルに言えば、「アウトドアファースト」なんですよ。
アウトドアをメインの目的で作られたと考えれば、そのメリットが一気に浮かび上がります。
それでは、一つ一つ解説していきます。
メリットその① 馬力がある!
一般的な公道を走る目的であれば、そのメリットを感じる事は少ないかもしれません。
人によっては、加速が悪い車にのるとイライラするという人もいるようですが、多くの人は僕と同じ感覚なのではないでしょうか?
しかし、アウトドアで、しょっちゅう山道など、急な坂道を登り降りするような場合は違いますよね?
そういう場面で、思うように車が加速できないと、運転手に限らず同乗者までストレスを感じます。
さらに、極端な急坂や、雪道などでは、場合によっては馬力の無い車だと坂道を登れない!!車が進まない!!!何てことも起きるかもしれません。
車を選ぶ際、「どうしてもSUVでなければいけない理由」がもしあるとすれば、その最大の理由はこれなんです。
そうですね。SUVの最大の魅力は、タイヤが大きく、同クラスのエンジンと比較しても馬力があるのです。
ここでは1例として、エンジン排気量が同クラスの車種の馬力(最大出力)を比較してみました。
| 車種 | 排気量 | 馬力(最大出力) | 
| トヨタ ハリアー (SUV) | 2000cc | 170kw | 
| トヨタ エスクワイア(ワゴン) | 2000cc | 112kw | 
このように同じトヨタで2000ccの2車種を比べた場合、SUVのハリアーの方が圧倒的に馬力がある事がわかります。
楽しいはずのアウトドアが、ストレスフルな移動になるか、あるいは快適なドライブになるかは、この馬力の差は圧倒的な差を生んでしまうんではないでしょうか?
メリットその② タイヤが一回り大きく、悪路に強い
 
本格的なアウトドアになると、悪路を走行することもあるかもしれません。
例えば、舗装されていない道路、岩場のごつごつした道、ぬかるみを走らなければならない・・・
まあ、実際日本ではあまりそこまでひどい道はほとんどないかもしれませんが、そんな場面で立ち往生するようであれば、SUVを買った意味がありません。
そんなヤバいシチュエーションで生きてくるのが一回り大きいタイヤなんですよね。
ほとんどのSUVの車は同クラスの乗用車に比べ、一回りも二回りも大きいタイヤをはいています。
他の車では動けないような悪路も走破できる。これもSUVの魅力の一つです。
例えば、SUVが大活躍するのが、冬の雪山ですね。ウィンタースポーツをする人にとっては、SUVの車がまさに命を守る相棒となります。
雪山でタイヤを滑らせた経験をお持ちの方は、いかにそれが恐ろしい経験かを知っている事でしょう。
しかしながら、「SUVのタイヤは大きく、冬用にスタッドレスタイヤを準備するのにも大きな出費が必要になるのが欠点だ」
という人も多いのが事実です。
そんなあなたに、こんなものを見つけたので紹介しておきます。
 キャッチフレーズ「これからの時代のスノーチェーン、ISSE(イッセ)
が伝えている通り、軽量でコンパクト、取り付けやすく、しかも金属チェーンに匹敵する圧倒的なグリップ力を誇る布製チェーンだそうです。しかもスタッドレスタイヤを付けるより圧倒的に安価です。
世の中便利になりましたね。これで日本の典型的な悪路である雪道も心配がなくなります。SUV最強時代の幕開けですね。
メリットその③ タイヤの大きさがもたらす、驚くべきメリット = 事故率が激減する!
タイヤが一回り大きいと、当然ながら車高が一段上がります。
そうするとドライバーの目線がぐっと高くなるんですよね。
ドライバーの目線が高くなると、素晴らしい二次的なメリットが生まれるんですよ。
実は事故が減るんです。
僕は中古車業界の端くれですので、業者間オークションの取引データを日ごろから良く、観察しています。
そこで、前々から大変気になっていたことがありました。
それが、目線の高い車の事故率が極端に低いことなんです。
ここで言う「事故」についてですが、過去にフレームに抵触するような事故を起こした車は、業者間オークションのデータ上、車両評価の欄に「R」という記号が入ります。車の業界では「修復歴のある車」と呼びます。
今回この記事を書くにあたり、実際に二つの車種の同条件で、一定の台数に含まれる評価「R」の車の台数を比較すると、私の感じていた直観を証明する貴重なデータとなりましたので、報告します。
〇比較対象
- ランドクルーザープラド(目線の高い車) 25年式 走行10万km以内 200台
 - クラウン(目線の低い車) 25年式 走行10万km以内 200台
 
〇調査結果
| 車種 | (修復歴車)台数 | 割合(%) | 
| ランドクルーザープラド | 5台/200台 | 2.5% | 
| クラウン | 35台/200台 | 17.5% | 
この一例をもって、目線の高さが事故率低下の要因という科学的根拠にはならないですが、
この圧倒的な差の、一因である事は間違いないのではないでしょうか??
メリットその④ 荷物を沢山積むことができる
アウトドアと言えば?ウィキペディアで調べると具体例としてこのように挙げられています。
より具体的に言うと、次のようなものになる。いろいろな分類のしかたがあるが次のように列挙することも可能であろう。
- キャンピング(野外での生活)
 - ハイキング(+ピクニック)、トレッキング、トレイルラン、スカイランニング、登山、沢登り、スキー、ケイビング、山菜採り
 - 海水浴、カヤッキング、セイリング、チュービング、ラフティング
 - パラグライディング
 - 釣り(海釣りや川釣り)、狩り
 - 野鳥観察(バードウォッチング)、植物観察などといった自然観察、森林浴。
 - さらに野外で行う天体観望も含まれることがある。
 参照元:wikipedia
どれをとっても、とにかく荷物を沢山必要とするアクティビティばかりですね。
つまり、いくら車の性能が良くても、荷物がたくさん載らなけらば、話にならないわけですよ。
というわけで、SUVの車は基本的に、一般的な乗用車に比べ、荷物を沢山積めるような構造にされています。
また、車内だけでは、全ての荷物を載せきれないようなアクティビティもありますよね。
そんな時に、ルーフキャリアやボックスを取り付けて、さらに多くの荷物を載せる場合があります。
SUVでない乗用車にこれを付けると、違和感がある場合がありますが、SUVだと、よりアウトドア感がでて、カッコ良かったりしますよね?
アウトドアは基本的に趣味で行うものです。
せっかくの趣味なんですから、カッコよく決めなきゃ楽しさ半減ですよね。そういう意味で車はとても重要なアイテムとなります。
アウトドアにこだわるなら、まず車から!ってとこでしょうか。
メリットその⑤ 頑丈で耐久性、安全性に優れいている
SUVはもともとアウトドア仕様で、悪路をガンガン走破すること想定している車ですから、少々のことで故障していては話になりません。
当然ながら、足回りやボディーなど、一般的な乗用車に比べ剛性・耐久性に優れた部品を使用しています。
逆に言えば、その辺りが後に書く、価格の高さや、車両重量の重さというデメリットにもつながりますが、そのこと自体が他のボディータイプと比較して、性能面(剛性、耐久性)で優れている事を証明しているとも言えるでしょう。
耐久性に優れいているという事は、故障が少なく、車としての寿命も長くなるという事です。
つまり仮に、購入する際の金額が高くても、その分買い替えのスパンが長くなります。
結果的には、コストパフォーマンスが良くなる可能性が高いという事ですね。
メリットその⑥ リセールバリュー(再販価値)がダントツに高い!!
車には、SUVの他にもいろんなタイプの車があります。
セダン、ワゴン、ハッチバック、スポーツタイプ・・・・
しかし、これらのタイプ別でリセールバリューの高さを比較すると、SUVはダントツのNO.1なんですよ。
以前、「リセールバリューランキング!アホですか?というぐらい高い車まとめ」という記事を書いたことがありました。
その記事の中で、上位を占めている車の大半はSUVの車種となっています。
記事にも書いていますが、実はこれには、はっきりとした根拠があります。
実は、SUVの車は海外、とりわけ発展途上国において、圧倒的な人気があるのです。
余り知られていませんが、日本で流通する全中古車の内、約1/4はそのまま海外へ輸出されているです。
しかし、どの車種もまんべんなく輸出されるのではなく、海外に輸出される車はその中でも特定の車種に限られています。
つまり、全体の1/4の中古車といっても、その内訳はほぼ特定の人気車種に固まっているという事は、
海外人気車種は、国内の中古車で販売されるよりも、圧倒的な割合で海外に輸出されているという事になります。
そういった海外人気車種の相場は、輸出業者がこぞって、常に取り合い合戦を繰り広げるため、
一般的な中古車相場に比べて異常なまでの高値で取引される場合が多々あります。
SUVの車両はこれまで、メリット①~④を振り返ってまとめてみると
- 馬力があり、山道に強い
 - タイヤが大きく、悪路に強い
 - 荷物を沢山載せる事ができる
 - 故障しにくく、頑丈で、寿命が長い
 
というメリットを持っています。
あなたは途上国へ、旅行をしたことはありますか?
仮に旅行したことが無くても、テレビでみる、途上国の道路状況や生活状況を思い浮かべてみてください。
山道だらけで、道路はまともに舗装されておらず、時には河を横断しないといけない場面もあります。
そして、移動は長距離になる事が多く、荷物は沢山積まないといけません。(時には車の上に、車の何倍もの体積の荷物を積むこともあります)
そして、途上国には、日本のように、故障してもスペアのパーツが簡単に手に入るような環境ではありません。
もうお分かりですね?
SUVはまるで、発展途上国の人々のために設計されているのではないか??と言わんばかりに、
現地の人々の要求に完全にハマっている車なのです。
そうすると、SUVの車は古ければ古い程、海外に輸出される車の割合は当然高くなります。
10年または10万kmをこえた中古のSUVはほぼ全てが海外に輸出されていると言っても過言ではありません。
そのため、SUVの車の相場はなかなか下がらず、全体の相場が一般的な車に比べいつも圧倒的に高い水準となるのです。
中でも、海外の輸入規制などの影響で、年式や型式などがある国の需要にピッタリ合致するような場合、
異常なまでの金額で取引される車もあります。
7年落ち、ランドクルーザープラド(TX)などはその1例ですね。詳しくは上記の「リセールバリュー」に関する記事を読んでみてください。
SUVのデメリットとは?
メリットを全てみると、いいことづくめに見えるSUVですが、
そのメリットを達成するために、生まれた副作用がこれまた沢山あります。
ではデメリットを紹介していきます。
デメリット① 燃費が悪い
SUV車は、頑丈に作られた反面、パーツ一つ一つが大きく、重いため、車両全体として重量が重くなります。
また、エンジンもパワー重視で、排気量も比較的大きなエンジンを使用します。
当然ながら、これらの要素すべてが、そのまま燃費の悪さに跳ね返ってきます。
デメリット② 車高が高く、乗り降りに負担がかかる。
目線の高さは、メリットではありますが、同時に、乗り降りに負担がかかってしまいますね。
特に、小さな子どものいる家や、年配の人にとっては、乗り降りだけでもかなりの負担になります。
デメリット③ 初期費用・維持費が高くなる。
SUVは、そのメリットにこだわるため、当然ながら、一般の乗用車では使用しないような高級な部品を使用せざるを得ません。
当然それは、車両の購入価格を引き上げる事になります。
部品が高級で特別という事は、故障した際も、部品が手に入りづらく、修理費用も高くなるという事です。
整備士泣かせの車でもあるという事ですね。
実際に元整備士はあまりSUV車をお勧めしないようですので、この記事も参考してはいかがでしょうか。
上記の燃費の悪さに加え、誠備費用が高くなること、さらに車両重量が大きい事で、重量税も高くなります。総合的に見て、維持費が高くなることは当然といったところでしょうか。
SUVのメリットデメリットまとめ
SUVのメリット
- 馬力がある
 - 悪路に強い
 - (目線が高く)事故率が減る
 - 荷物をたくさん積める
 - 耐久性、安全性に優れる
 - リセールバリューが高い
 
SUVのデメリット
- 燃費が悪い
 - 乗り降りに負担がかかる
 - 初期費用・維持費が高い
 
近年はSUVがブームになっており、街中でも結構な割合で見かけられるようになりました。
しかし、SUVはもともと「アウトドア」という主たる目的で作られているため、その目的以外では思わぬ副作用(デメリット)を生ずることになります。
SUVに興味を持った人は、こういったメリットデメリットが本当に自分に合っているのかをしっかり見極めた上で、納得のいく買い物をして欲しいと思いますね。




















