ついにあの宣告を受けてしまった!・・・
そう・・・
「タイミングベルトの交換の時期ですね」宣告
見積もりを見てビックリ!!なんでこんなに高いの!??
誰もがショックを受けるこの宣告・・・
今のところ、車の調子はなにも悪くないのに・・・
なんとか交換せずに、やり過ごす方法は無いのか??
そもそもタイミングベルトって何よ!??
「なんか小難しい事言って高い金払わせようとしてるんじゃない!?」
という疑問に答えるため、
今回はタイミングベルトについて、その交換の必要性や、寿命、交換費用について、徹底調査したものを発表したいと思います。
タイミングベルトとは?
そもそもタイミングベルトって何?
図のように、ピストンの上下によって回転するクランクシャフトの回転力をエンジンの上部にあるカムシャフトに伝える役割をするベルトです。
その伝わった動力によって、ピストンの頭にあるバルブ(燃料の出入り口を開けたり、塞いだいりするフタ)がタイミングよく開閉させられる事から、タイミングベルトと
呼ばれているのです。
実際のタイミングベルトの写真はこれです。
上の写真はエンジンを開けた状態ですので、実際にはベルトも含めてエンジン内部にあるので、このようにむき出しにはなっていません。
交換するにはエンジンを開けないといけない・・・
つまり素人には絶対に交換ができない!という事だけは間違いなさそうですね。
タイミングベルトを変えないで乗り続けるとどうなるの?リスクについて
タイミングベルトの交換費用の見積もりを見た人が
まず頭によぎるのは
「交換せずに乗り続けるの方法はないか??」
という事ですね。決して安くはないです。
実際、タイミングベルトを変えずに15万km以上も走り続けている車もある事は事実です。
しかし、これは例えるといつ切れてもおかしくない吊り橋を渡っているようなものなのです。
タイミングベルトが切れてしまった車はどうなる?
走行中に切れた場合の症状
ガス欠のような状態になります。アクセルを踏んでいるのに、エンジンが反応せず、車が勝手に急減速して止まります。
仮に高速道路で後ろの車との距離が詰まっている状態だったら、非常に危険です。
急ブレーキではないので、後ろの車次第ですが、
後ろ車の反応が遅いと、大参事になりかねません。
ベルトが切れると車がオシャカに!!??
事故にならなくても、悲惨な事が起きてしまいます。。
なぜなら、多くの場合、走行中にベルトが切れると、エンジン自体が死んでしまうからです。
具体的にどうなるかというと・・・
ベルトが切れると、カムシャフトが回らないのでバルブが動かなくなります。
でも、走行中だとピストンは回り続けているので、ピストンが動かないバルブに当たってしまうのです。
(ベルトが生きている間はタイミングよく当たらないように設計されています)
こうなると、バルブが折れたりピストンが損傷してしまいますよね?
エンジンはピストンが損傷すると修理はほぼ不可能です。
積みかえる以外の方法がほぼ無くなります。
エンジンの積み替えとなるとどんな車でも、少なくとも40万円~50万円程度が必要になります。
エンジンの死は、たいていの車において、車自体の死を意味します。
タイミングベルトの寿命と交換時期について
タイミングベルト切れる = エンジン積み替え ≒ 廃車 となる事は分かりました。
では、タイミングベルトの寿命はどれくらいで、どのくらいで交換する必要があるのでしょうか?
タイミングベルトの寿命は?
タイミングベルトはゴム製で内側がギザギザの歯車になっています。
ゴムですので当然、古くなるに連れ、劣化していきます。
中にワイヤーが通っていますが、切れずとも歯が飛ぶだけでもアウト!です。
さて、寿命についてですが、
極端な例でいうと
「20万キロ走っても、切れなかった車」もあれば「4万キロで切れてしまった車」
もある。という事です。
ほとんどの人は切れる前に交換してしまうので、
平均寿命のような統計はどこを探してもありません。
では交換の時期の目安は?
どのメーカーも推奨しているのは
「新車から10年または走行距離が10万キロ以内の交換」
ですので。
裏を返せば
「10年以内かつ10万キロ以内」
であれば、交換の必要はないという事でしょう。
ただし、メンテナンス状況が悪いと、それよりも早く切れる事もあるそうです。
- オイル漏れを放置している車
- オイル交換等のメンテナンス状況が悪い車
- オーバーヒートさせてしまった車
などは、ゴムの劣化を早めるため、危険だと言われています。
ベルトの交換時期は?
上の流れで言えば、当然
10年あるいは、10万キロの内、いずれか早い方を迎えるタイミング
という事になりますね。
また、輸入車(外車)の場合、5万キロ前後で交換しないといけない車もあるようですので、しっかり販売店と相談しましょう。
そして気になる交換費用の相場は??
すでにあなたが見積もりをもらっていたら、
「これって、ボったくられているんじゃないの?」
と思っているかもしれません。
そこで、気になるタイミングベルト交換費用の相場を調べてみました。
ベルト代 | 交換工賃 | 交換費用計 | |
軽自動車 | 2000円~3000円 | 20000円~40000円 | 25000円~40000円 |
普通車(小) | 3000円~6000円 | 25000円~50000円 | 30000円~55000円 |
普通車(大) | 4000円~8000円 | 30000円~60000円 | 35000円~65000円 |
※こちらは、ネット上の情報を集めたおおよその相場です。
※実際の費用は、車種や、個々の車屋さんの事情により変化します。
各排気量ごとに相場がある事がわかりましたので、排気量別にまとめた交換費用についてはこちらをご覧ください。
ベルト代は安い!でも工賃がたか~い!!その理由は?
ベルトそのものは、ゴムのベルトなので安いです。
なぜ工賃が高くなるのか?
それは、ほとんどのエンジンの場合、エンジン自体を開けないとベルトの交換ができません。
作業時間は平均的に5~6時間程度かかるようです。そのため、内訳はほとんどが作業工賃となります。
要するに、
タイミングベルトの交換費用 ≒ エンジンの開け閉めにようする作業費
という事なのですね。
しかし、車種(ハイエースの一部等)により、エンジンそのものを開けなくても、タイミングベルトを交換できるエンジンもあります。
そのような車の場合、一時間程度(工賃8000円程度)で作業が完了する場合もあるようです。
タイミングベルト交換時は同時に他の部品も交換した方がいい?
ベルトの交換だけでも、相当な出費になりますが、ほとんどのケースで下記のものも交換を勧められます。
- カムシャフトオイルシール
- クランクシャフトオイルシール
- オイルポンプシール
- アイドラプーリー
- テンショナー
- ウォーターポンプ
- サーモスタッド
なぜなら、エンジンをあける事自体が一番費用がかかるので、
ベルトと同様に他の消耗品も、交換しておく方がいいという事ですね。
多少の寿命の違いがあるにせよ、上記の部品もタイミングベルトと同程度の寿命の消耗品です。
そのため、ベルトを交換するために、エンジンを開けるなら、一石七、八鳥??で
交換する方がいいでしょうね。
そのため、これら全てを交換すると、結果的に
軽自動車でも、10万円以上の費用になるケースが多くなります。
「おれはディーラーの言いなりにはならない!ベルトだけ変える」
という人も多いと思います。
しかし、結果的にそれでなんどもエンジンを開ける事になるケースは珍しくないようです。
タイミングベルトは本当に交換するべきなのか?
ここまでの話しを一度整理します。
あなたのクルマは10年または10万kmを迎えた
↓
タイミングベルト交換を勧められた(変えないといけない理由も聞いた)
↓
ベルト交換するなら、エンジンをあけるのでその他の消耗品の交換も薦められた
↓
結果的に10万円以上の見積もりを見せられた。
↓
究極の選択を迫られ悩んでいる
相手のいいなりになってはいけない
もちろん、この流れは、車屋さんがでっち上げているものではありません。
しかし、なんでもかんでも相手のいいなりになってもいけません。
実はこのタイミング、車屋さん側にとっては、またとない儲けどころのタイミングなのです。
例えば・・・
相手(車屋さん)が新車ディーラーまたは中古車販売店の場合は特に注意が必要
迷っているあなたを見て、
「車を買い替える時期ではないでしょうか?」
という声かけをしてくる可能性が高いです。
高額な車検の見積もりは、新車購入を決意させる、切り札になります。
もちろん、このタイミングで新車に乗り換える事は、間違ってないと思います。
しかし、問題は、その下取りの車なのです。
高額な車検整備費用(15万円以上)を請求された車です。
ましてや、10年または10万キロを迎えた車です。
ここで、ディーラーに
「本来なら廃車費用がかかりますが、無料でお引き取りできます」
と言われたら、いかがでしょうか?
実は、ほとんどの人はこれで車を無料でディーラーに渡してしまいます。
15万円の車検費用が無料になるんですから、なんだか得したような気分になってしまうんですよね。
しかし、世の中10年または10万キロを超えても、まだまだ価値のある車はたくさんあります。
それは、「海外に需要のある車」なのです。海外で需要のある車の一覧はこちらです。
なかには買取相場が30万円以上もするようなものでも、平気で無料で引き取る事など、全くもって珍しい事ではありません。
大切な事は「あと何年その車に乗り続けるか」
15年、20年、20万キロ、30万キロも走る続ける予定の車の場合
バンやトラックなど、一度かったら、本当に乗つぶすまで乗る車の場合、
メンテナンスにお金を惜しむと、かえって痛い出費を招く事になります。
このような場合、多少高くても、ベルトやその他の交換部品は、きっちりと交換しておくことをおすすめします。
排気量の大きい車の場合
いわゆる高級車と言われる、排気量の大きい車の場合、
エンジンも含め、車体全体として、長持ちする設計になっています。
「まだまだ乗り続けたい」
という意志がある場合は、タイミングベルトの交換費用ぐらいは、必要経費と考えるべきでしょう。
他の消耗品も含めて、きっちり交換する事をおすすめします。
排気量の小さい普通車の場合
2000cc以下の一般的な車の場合、タイミングベルト交換時期をすぎると、
ベルトそのもの以外にも、他の主要な機関(オートマや電気系統その他もろもろ)
においても、ガタがきます。
「もうそろそろ乗り換えか・・・」
と考えているなら、手放す時期かもしれません。
ただ、すぐに売却をせずとも、ベルト交換無しで車検を通して、
本当にガタが来てから売却しても遅くは無いと思います。
軽自動車の場合
軽自動車の場合10年10万キロを超えると、故障個所が増えてきます。
元々それほどの耐久性を想定して作られていない車が多いので、
乗り換えを検討する事をおすすめします。
もちろん、思い入れのある車や、メンテナンスをキッチリやっている場合など、
人それぞれ使い方が違うので、一概には言えませんが、
まよっているなら、乗り換えをオススメします。
もし車を売るなら、タイミングベルトは交換してから売った方がいいか?
査定時に「タイミングベルトはついこの前交換したよ」とアピールされるお客様がいますが、査定額はアップすることは有りません。
逆に、現在乗っている車が、タイミングベルトを交換しないといけない時期である場合でも、わざわざ「もうタイミングベルトは切れるかもしれないよ」と査定業者に伝える必要もありません。
そのため、車を売却するなら、わざわざ交換工賃をかけて、タイミングベルトを交換してから売る必要はありません。交換してから売っても、交換しないで売っても、査定額は同じです。
そもそも最近の車はタイミングベルトじゃない場合があります!
ここまで読んでもらったのに、ごめんなさいですが、そもそもあなたの車はタイミングベルトじゃない場合もあります。
最近ではタイミングベルトの代わりにタイミングチェーンが使用されているケースが非常に多いです。
タイミングチェーンとは何か、また自分の車がベルト式なのかチェーン式なのかを知りたい人は「タイミングチェーンに関するウルトラパーフェクトガイド」で調べる事ができます。
こちらも是非お役立てください。